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2018/06/06

ツール・ド・熊野 第3ステージ

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[上:全ステージで安定感のある走りを見せた鈴木譲選手が総合4位となった]
[下:マッチスプリントを制した佐野淳哉がステージ優勝を飾った]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY




5月31日(木)〜6月3日(日)の4日間にわたり、UCI-2.2.のステージレース「ツール・ド・熊野」が開催されました。

6月3日(日)に、第3ステージが開催されました。




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このレースに、宇都宮ブリッツェンから以下の6名がエントリー。

鈴木譲
阿部嵩之
飯野智行
鈴木龍
雨澤毅明
岡篤志





UCI-2.2のステージレース「ツール・ド・熊野」の第3ステージが、和歌山県太地町のテクニカルかつハイスピードな太地半島の周回コース(1周10.5km)で開催され、終盤に単独で逃げていたキナンサイクリングチームのトマ・ルバに追いついたマトリックスパワータグの佐野淳哉がマッチスプリントを制してステージ優勝を飾りました。

この結果、最終成績はマーク・デマール(チーム右京)が個人総合時間賞、ポイント賞、山岳賞を総なめ。新人賞は野本空(愛三工業レーシングチーム)が獲得しました。

宇都宮ブリッツェンは最終ステージでの個人総合時間ジャンプアップとステージ優勝の両方を目指して序盤から積極的にレースを展開。個人総合時間賞の有力選手が軒並み入った先頭集団に鈴木譲選手と雨澤選手が入り、ステージ優勝こそ果たせなかったものの、鈴木譲選手が個人総合時間賞で4位にジャンプアップ。雨澤選手も9位にひとつ順位を上げて全日程を終了しました。

ツール・ド・熊野も、ついに最終ステージとなる第3ステージを迎えました。

第1ステージがキャンセルになったことで個人総合時間賞を狙う有力選手とチームが積極的な姿勢を見せた第2ステージ熊野山岳の結果、入部選手(シマノレーシング)が2位のデマール選手(チーム右京)にわずか7秒差で首位に立ちました。また、9位までの選手が1分以内にひしめき合っており、想定外の事態を受けて僅差の争いとなっています。

そのため、ここ数年は第3ステージでの個人総合時間大逆転という波乱は起きていませんでしたが、今年はその波乱が起こることも十分に考えられる状況と言えます。

第2ステージ終了時点で鈴木譲選手が個人総合6位、雨澤選手が同10位につける宇都宮ブリッツェンは、個人総合時間のジャンプアップとステージ優勝の両方を狙う積極的なレースをすることを選択。個人総合時間の逆転を狙う有力選手勢の動きに同調してレースを進めながら、途中に設定されるスプリントポイント鈴木譲選手が獲得できるように残る選手がアシストし、勝負が集団スプリントに持ち込まれた際は鈴木龍選手でステージ優勝を狙うプランでレースに臨みました。

くじら浜公園をスタートしたレースは、ニュートラル区間を終えて正式スタートが着られると早速、個人総合時間の逆転を狙う有力選手勢が積極的にアタックを仕掛ける攻撃的な展開に。これらの攻撃に入部選手(シマノレーシング)のリーダージャージを守りたいシマノレーシング勢が集団をコントロールして対応する展開となります。

2周回目に入っても激しい攻撃が繰り返される展開が続き、その対応に追われるシマノレーシング勢はみるみる疲弊していく状態に。3周回目を迎える頃になると集団前方に残るシマノレーシングの選手はリーダーの入部選手(シマノレーシング)のみとなり、レースも序盤の段階でリーダーチームが崩壊する状況となります。

リーダーチームが崩壊したレースは程なくして最初のスプリントポイントを迎え、当初のプラン通り鈴木譲選手(宇都宮ブリッツェン)がトップ通過。ボーナスタイム3秒を獲得して、2秒を獲得したプラデス選手(チーム右京)と並んでバーチャルで個人総合時間4位タイに浮上します。

1回目のスプリントポイントを過ぎてもなお活性化するメイン集団からは、有力選手自らが次々に攻撃を仕掛けて抜け出していく展開が続き、宇都宮ブリッツェンも鈴木龍選手(宇都宮ブリッツェン)と岡選手(宇都宮ブリッツェン)が果敢に応戦。9名の逃げ集団を作ることに成功します。

しかし、この逃げに後方からリーダーの入部選手(シマノレーシング)を含む6名がジョインしたことで、集団が逃げを吸収してひとつになります。

すると今度はトリビオ選手(マトリックスパワータグ)がアタックを仕掛けて単独で抜け出す展開に。この動きに反応する選手と反応できなかった選手とで集団がふたつに分断され、リーダーの入部選手(シマノレーシング)は後方に取り残されてしまう事態となります。

一方、単独で逃げるトリビオ選手(マトリックスパワータグ)には後方からルバ選手(キナンサイクリング)がジョイン。さらにその後方からは20名程度の選手が追走をかけて先頭2名に合流し、最終的に24名の先頭集団が形成される展開に。個人総合時間のジャンプアップを狙う鈴木譲選手(宇都宮ブリッツェン)と雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)もしっかりその中に入ります。

リーダーの入部選手(シマノレーシング)を除く個人総合時間トップ10の選手9名が入った先頭集団は、まずは入部選手(シマノレーシング)を勝負から引きずり下ろすべくペースを上げ、後方の集団とのタイム差を1分以上に拡大。この段階でバーチャルリーダーは第2ステージ終了時点で個人総合時間2位のデマール選手(チーム右京)となります。

入部選手(シマノレーシング)を引きずり下ろすことに成功した先頭集団でしたが、その後は個人総合時間トップ10に入る選手たちが互いの動きを睨み合いこう着状態に。そんな中、先頭集団からは個人総合時間争いに関係しないルバ選手(キナンサイクリング)が隙を見てアタックを仕掛け、単独で先行する状態に。続いて、同じく個人総合時間争いに関係しない佐野選手(マトリックスパワータグ)、チェン選手(チャイニーズタイペイ)も集団から飛び出し、ステージ優勝を争う展開となります。

その後、レースは佐野選手(マトリックスパワータグ)がルバ選手(キナンサイクリング)にジョインして、先頭は2名に。その後方にチェン選手(チャイニーズタイペイ)、さらに個人総合時間トップ10選手を含む集団が続く展開となります。

ルバ(キナンサイクリング) ※トップと15分41秒差

佐野(マトリックスパワータグ) ※トップと5分23秒差

↓ 約30秒

チェン(チャイニーズタイペイ) ※トップと5分24秒差

↓ 約30秒

個人総合時間トップ10を含む集団

こうなると、ステージ優勝を狙う先頭2名と追走1名の戦いとは別に、集団内では個人総合時間を争う戦いが勃発。現時点で先行する3名にこのままのタイム差でゴールさせればデマール選手(チーム右京)は個人総合時間優勝が確定するため、チームメートのプラデス選手(チーム右京)と2名で集団をコントロールして残る選手たちの抜け出しを阻む状況となります。

結局、レースは先行していた2名の選手が逃げ切る展開に。最後はスプリント勝負を佐野選手(マトリックスパワータグ)が落ち着いて制して見事にステージ優勝を飾りました。

一方の集団も、個人総合時間トップ10に入る選手たちがそろって同タイムでフィニッシュ。互いに睨み合う展開に鈴木譲選手(宇都宮ブリッツェン)と雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)も従わざるを得ない状況となってしまいましたが、スプリントポイントでボーナスタイムを獲得した鈴木譲選手(宇都宮ブリッツェン)が順位をふたつ上げて個人総合4位。雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)も順位をひとつ上げて9位となり、ともにUCIポイントを獲得して全日程を終了しました。

清水監督コメント

「今日のステージは個人総合時間で上位につけているチーム、選手が始めからすごく積極的で。我々もその動きに同調して攻撃をして、鈴木譲選手が個人総合時間4位にジャンプアップという形でレースを終えました。3位の選手とは同タイムという結果で、なんとか表彰台に立てれば良かったのですがコンマ差、初日のプロローグのルール上の形で残念ながら3位に届かず4位となってしまいました。強力な外国人選手勢の最後の力勝負にしっかり対応できていたなと私は思ったのですが、選手たちに聞くと力負けしたと悔しそうな表情をしていたので、それを受け止めて今後に繋げていかなければいけないと感じていますし、それをいいモチベーションにして力をつけていきたいなと思います。個人的な気持ちでは、今年のツール・ド・熊野は総合こそ外国人選手に獲られてしまいましたが、ステージはすべて日本人選手が優勝したというには素晴らしいことなのではないかと思っています。チームとしても阿部選手がプロローグをしっかり獲ってくれ、第1ステージは残念ながらキャンセルになりましたが、クイーンステージとなる第2ステージでは新しい戦い方で上位に選手を送り込んで優勝に手が届く範囲にまできたというのは収穫だったと思います。今日も全員が積極的に動いてすごくいいレースをしてくれたので、新しいスタイル、戦い方をできた収穫の多い4日間だったと思います。勝てる可能性を目の前にしての個人総合時間4位という結果で終わったのはとても悔しいですが、このメンバーでのUCIレース個人総合優勝が目の前にあったことはいいモチベーションになりました。応援、ありがとうございました」

Text:Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY





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◆[リザルト

[20th Tour de KUMANO - UCI-2.2 - 第3ステージ 太地半島 - 104.3km]

1位 佐野淳哉 (マトリックスパワータグ) 2h35m39s

2位 トマ・ルバ (キナンサイクリングチーム) +02s

3位 チェン・キンロ (HKSIプロサイクリングチーム) +12s

4位 ライアン・キャバナ (セントジョージコンチネンタルCT) +24s

5位 黒枝士揮 (愛三工業レーシングチーム) +24s

6位 窪木一茂 (チームブリヂストンサイクリング) +24s

7位 マーク・デマール (チーム右京) +26s

8位 ホセヴィセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) +26s

9位 野本空 (愛三工業レーシングチーム) +26s

10位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +26s

14位 雨澤毅明 (宇都宮ブリッツェン) +26s

21位 飯野智行 (宇都宮ブリッツェン) +2m58s

DNF 岡篤志 (宇都宮ブリッツェン)

DNF 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン)

DNF 鈴木龍 (宇都宮ブリッツェン)

出走=75名/完走=36名

個人総合時間 第3ステージ終了時

1位 マーク・デマール (チーム右京) 5h22m47s 39.8km/h

2位 ベンジャミン・ダイボール (セントジョージコンチネンタルCT) +18s

3位 ベンジャミ・プラデス (チーム右京) +35s

4位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +35s

5位 サルバドール・グアルディオラ (キナンサイクリングチーム) +38s

6位 マーカス・カリー (セントジョージコンチネンタルCT) +39s

7位 ホセヴィセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) +47s

8位 マルコス・ガルシア (キナンサイクリングチーム) +50s

9位 雨澤毅明 (宇都宮ブリッツェン) +1m10s

10位 ライアン・キャバナ (セントジョージコンチネンタルCT) +3m46s

22位 飯野智行 (宇都宮ブリッツェン) +10m03s

個人総合ポイント賞 第3ステージ終了時

1位 マーク・デマール (チーム右京) 29P

2位 佐野淳哉 (マトリックスパワータグ) 25P

3位 入部正太朗 (シマノレーシングチーム) 25P

4位 トマ・ルバ (キナンサイクリングチーム) 23P

5位 ベンジャミ・プラデス (チーム右京) 22P

6位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) 21P

個人総合山岳賞 第3ステージ終了時

1位 マーク・デマール (チーム右京) 24P

2位 マルコス・ガルシア (キナンサイクリングチーム) 12P

3位 ベンジャミ・プラデス (チーム右京) 8P

4位 フェン・チュンカイ (チャイニーズタイペイナショナルチーム) 6P

5位 畑中勇介 (チーム右京) 5P

6位 サルバドール・グアルディオラ (キナンサイクリングチーム) 3P

チーム総合時間 第3ステージ終了時

1位 セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム 16h13m04s

2位 キナンサイクリングチーム +15s

3位 宇都宮ブリッツェン +3m15s

4位 チーム右京 +3m46s

5位 マトリックスパワータグ +8m20s
6位 愛三工業レーシングチーム +12m57s

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[最終日となる第3ステージ。太地町は朝から青空が広がった]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[宇都宮から取材に訪れたNHKのインタビューを受ける清水監督]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[チームテントに集合した選手たちが準備を進める]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[総合ジャンプアップを狙うためコースプロフィールに加えマークすべき選手とタイム差も貼られる]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[鈴木龍選手と清水監督が貼られた要注意選手を確認しながらレースプランを話し合う]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[総合ジャンプアップをしっかりアシストしたい飯野選手が念入りにアップを行う]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[阿部選手が細谷マッサーにオイルを塗ってもらい脚に火を入れる]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[大乱戦が予想される最終ステージがスタートする]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[阿部選手のアタックにキナンのエースであるガルシア選手自らが反応するなど序盤からレースが動く]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[漁港に設定されたコースをシマノがコントロールする集団が進む]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[有力選手の逃げを確定させようと序盤から鈴木龍選手が積極的な動きを見せる]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[有力選手の動きを見逃さずにしっかりチェックに入る雨澤選手]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[ハイスピードのレースに飯野選手も遅れることなく対応していく]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[大所帯の逃げ集団に単独でブリッジを試みた岡選手だが届かず、程なくして後方の集団に戻った]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[リーダーの入部選手が取り残されたメイン集団で飯野選手と阿部選手が走る]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[海沿いの直線路をハイスピードで走る集団がタテに伸びる]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[序盤から積極的に動くも逃げを外して後方に取り残された鈴木龍選手は自らレースを降りた]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[こう着状態が続く先頭集団内で打開策を講じながら走る鈴木譲選手]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[鈴木譲選手とともに先頭集団に残った雨澤選手も次の展開を窺いながら走る]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[後方の集団に取り残されてしまった飯野選手だが完走を目指して走り続ける]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[岡選手を含む集団はゴールまで残り5kmというところでタイムアウトが告げられた]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[総合上位選手が互いに睨み合う集団内で鈴木譲選手と雨澤選手がフィニッシュ]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[飯野選手も後方集団でフィニッシュし、チーム総合時間3位に貢献した]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[ステージ1勝、総合4位、チーム総合3位という結果のレースを監督と選手が振り返る]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY

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