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2018/06/02

ツール・ド・熊野 第2ステージ

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[上:序盤の逃げから最終局面まで粘りの走りを続けた鈴木譲選手が6位でフィニッシュ]
[下:最終局面で抜群の展開力と強さを見せた入部選手がステージを制して総合リーダーに]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY




5月31日(木)〜6月3日(日)の4日間にわたり、UCI-2.2のステージレース「ツール・ド・熊野」が開催されています。

6月2日(土)に、第2ステージが開催されました。




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このレースに、宇都宮ブリッツェンから以下の6名がエントリー。

鈴木譲
阿部嵩之
飯野智行
鈴木龍
雨澤毅明
岡篤志





UCI-2.2のステージレース「ツール・ド・熊野」の第2ステージが、三重県熊野市の国内有数の山岳コースとして知られる熊野山岳コースで開催され、終盤に単独で先行したチーム右京のマーク・デマールに後方からジョインした2名が3名で逃げ切り。最後はデマールとのマッチスプリントを制したシマノレーシングチームの入部正太朗がステージ優勝を飾りました。この結果、入部選手は個人総合時間賞でもトップに立ち、イエロージャージに袖を通しています。

宇都宮ブリッツェンは、終盤にできた8名の先頭集団に鈴木譲選手が入ってレースを展開しましたが、他チーム同士が牽制に入ってしまったことも影響して先行した3名に追い付くことはできず。4位集団のスプリント勝負で6位に入ってレースを終えました。また、勝負どころの札立峠で有力選手ぞろいの集団から脱落してしまった雨澤選手も粘り強い追走を見せ、残り3kmで鈴木譲選手を含む追走集団に単独で合流して10位でフィニッシュ。個人総合時間賞でも鈴木譲選手が6位、雨澤選手が10位という状態で、翌日の最終ステージを迎えることになりました。

ツール・ド・熊野の個人総合時間賞を争う上で、最も重要なクイーンステージとなる第2ステージ。

109.3kmと距離は長くはないものの、風光明媚な棚田の間を縫うように駆け上がる丸山千枚田を2度、これまでも数々の名勝負を生んできた札立峠を1度上る過酷な山岳コースとして知られています。

そんな最重要ステージを前に行われた前日の第1ステージは、序盤でキャンセルという事態に。そのためこのステージは、ほぼ全選手がトップと12秒以内のタイム差にひしめき合い、なおかつ全員がほぼサラ脚という過去に例を見ない中で行われることになり、展開の予想もつきにくい状況と言えます。

宇都宮ブリッツェンはそんな状況の中で行われる最重要ステージに、ふたつのプランを用意して臨むことを選択。Aプランは厳しい上り区間をできるだけチームでまとまってペースで上り、メンバーを残した状態から最後の上りゴールスプリントを鈴木龍選手で勝負してのステージ優勝。集団がまとまって上り区間を上る気配がなく有力選手勢が攻撃を仕掛け合う展開になった際は、雨澤選手が力勝負に挑んで勝利を狙うBプランのふたつを用意して、どちらプランに絞っていくかのタイミングを見極めながらレースを展開していくことを確認し合ってレースに臨みました。

熊野倶楽部をパレードスタートし、正式スタート地点となる矢田橋交差点へとたどり着いたレースは正式スタートが切られると早速、激しいアタック合戦を繰り広げる展開となります。

特に、個人総合時間賞争いを有利に進めたいと考える有力チーム勢の動きが活発で、キナンサイクリングやチーム右京の選手たちが次々に攻撃を仕掛けていく状況が続きます。

すると、その流れの中で10kmを過ぎる頃に9名の逃げ集団が形成される展開に。宇都宮ブリッツェンはその中に鈴木譲選手(宇都宮ブリッツェン)が入ってレースを進めることになります。

鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)

グローヴス(セントジョージ)

畑中、デマール(チーム右京)

トリビオ(マトリックスパワータグ)

モニエ(愛三工業レーシング)

入部(シマノレーシング)

フェン(チャイニーズタイペイ)

中島(キナンサイクリングチーム)

メイン集団

有力チームの選手が満遍なく入った逃げ集団は、メイン集団とのタイム差を1分20秒ほどにまで拡大。そのまま1回目の千枚田へと向かっていきます。

一方、後方のメイン集団は個人総合時間賞を狙う有力選手勢が中心となって集団のペースを上げながら1回目の千枚田へ。このペースアップについていけない選手たちが遅れ始め、いきなり集団は幾つかに分断される展開となります。

逃げ集団

プラデス(チーム右京)

ガルシア、グアルディオラ、ルバ(キナンサイクリング)

ダイボール(セントジョージ)

などを含む追走

鈴木龍、雨澤、岡を含む追走

阿部、飯野を含む追走

遅れ始めの集団

1回目の千枚田を上り切り下り区間も終えたレースは、後方の追走集団がまとまり再び大きな集団となって最大の山場となる札立峠へと向かっていきます。

札立峠に入ると、再び個人総合時間賞を狙う有力選手勢がペースアップを再開。この動きに宇都宮ブリッツェン勢も雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)を中心になんとか食らいついていきますが、峠の中腹あたりで遅れ始めてしまい脱落。そのままペースを上げる有力選手勢は遂に9名の逃げ集団をキャッチして札立峠の頂上を目指すことになります。

すると、先頭集団が札立峠の頂上に設定された山岳ポイントを通過しようとするタイミングでプラデス選手(チーム右京)がアタックを仕掛けて先行します。

プラデス(チーム右京)

鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)

デマール(チーム右京)

中島、ガルシア、グアルディオラ(キナンサイクリング)

ダイボール、グローヴス(セントジョージ)

モニエ(愛三工業)

入部(シマノレーシング)

トリビオ(マトリックスパワータグ)

この動きに対して、残された選手たちの追走集団は猛追を開始。チームの地元で開催されるレースでの必勝を期す中島選手(キナンサイクリング)が積極的に集団先頭に立ってけん引を続け、程なくして先行していたプラデス選手(チーム右京)をキャッチ。先頭集団は再びひとつになってアタックの応酬が続くことになります。

アタックの応酬が続く先頭集団では、今度は中島選手(キナンサイクリング)が単独で抜け出す展開に。残る選手たちが若干牽制状態になったことで中島選手(キナンサイクリング)がリードを広げて単独で逃げる展開となります。

中島選手(キナンサイクリング)を追いかける追走集団は、モニエ選手(愛三工業レーシング)の動きをきっかけに活性化して一旦はひとつになったものの、中島選手(キナンサイクリング)が再びアタックを仕掛けて単独で抜け出します。

一方、追走集団は人数はいるものの積極的にローテーションに加わってけん引するのが鈴木譲選手(宇都宮ブリッツェン)、ダイボール選手(セントジョージ)、デマール選手(チーム右京)ぐらいで、なかなかタイム差が縮まらない状態のままで2回目の千枚田へと入っていきます。

千枚田の上り口に入ると、追走集団からデマール選手(チーム右京)が単独で抜け出し、程なくして先行していた中島選手(キナンサイクリング)をかわして先頭に。そのまま単独で先行する展開となります。

2回目の千枚田を上り、下り区間を終えてもデマール選手(チーム右京)がリードする展開は変わらず。するとここで、ダイボール選手(セントジョージ)が単独で飛び出してブリッジに成功、続いて入部選手(シマノレーシング)も合流して先頭は3名となります。

3名の先頭に対して、後方の追走集団は個人総合時間賞を争うガルシア選手(キナンサイクリング)とプラデス選手(チーム右京)が互いに牽制し合って追走のペースが上がらない状況が続き、残り距離だけがどんどん少なくなっていく状況となります。

そうこうするうちに、先頭の3名は残り3kmを通過。後方の追走集団には粘りの追走を続けていた雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)が合流して、レースは最終局面を迎えることになります。

しかし、有力選手が互いに牽制し合う追走集団は先行する3名の選手を最後まで捕らえることはできず、最後はデマール選手(チーム右京)とのマッチスプリントを制した入部選手(シマノレーシング)が見事にステージ優勝を飾り、個人総合時間賞でもトップに立ってイエロージャージを獲得しました。

宇都宮ブリッツェンは、序盤から逃げ続けた鈴木譲選手が最終局面まで残ってレースを展開。後方からは雨澤選手が地脚の強さをきっちりと見せて残り3kmで追走集団に合流して最終局面を迎えまして力勝負に備えましたが、牽制し合う有力選手勢に翻弄されてしまい勝負に絡めず。

鈴木譲選手が6位、雨澤選手が10位でフィニッシュして、個人総合時間賞も同順位で翌日の最終ステージを迎えることになりました。

清水監督コメント

「今日のレース、当初に考えていたAプランは失敗というか、序盤から積極的に動くチームも多くペースも早くて止まる気配がなかったので、実行できませんでした、でも、選手たちはすぐに切り替えて次のBプランに展開してくれてハマった感じはありました。鈴木譲選手が最後まで粘ってくれて、雨澤選手も後ろから追い付いてきてくれてという形は良かったのですが、最後は勝った入部選手の強さと展開力が結果に結びついたなという印象です。鈴木譲選手もあともう少しうまく立ち回れればチャンスはあったかなとも思いますが、ツアー・オブ・ジャパンでの結果などからマークもされていたので抜け出せませんでした。ただ、その中でゴールまで行ってくれたのは評価できる点だと思います。明日のステージは、この後に総合成績と皆んなのコンディションを確認してからやれることを判断して、最後にもうひとつ何か獲って帰れるように頑張りたいと思います」

Text:Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY




◆[リザルト

[20th Tour de KUMANO - UCI-2.2 - 第2ステージ 熊野山岳 - 109.3km -]

1位 入部正太朗 (シマノレーシングチーム) 2h45m52s  39.5km/h

2位 マーク・デマール (チーム右京) +01s

3位 ベンジャミン・ダイボール (セントジョージコンチネンタルCT) +15s

4位 ベンジャミ・プラデス (チーム右京) +33s

5位 サルバドール・グアルディオラ (キナンサイクリングチーム) +33s

6位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +35s

7位 マーカス・カリー (セントジョージコンチネンタルCT) +35s

8位 マルコス・ガルシア (キナンサイクリングチーム) +44s

9位 ホセヴィセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) +44s

10位 雨澤毅明 (宇都宮ブリッツェン) +1m03s

14位 岡篤志 (宇都宮ブリッツェン) +3m44s

26位 飯野智行 (宇都宮ブリッツェン) +7m23s

34位 鈴木龍 (宇都宮ブリッツェン) +9m01s

41位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +12m30s

出走109名/完走=76名

個人総合時間賞 第2ステージ終了時

1位 入部正太朗 (シマノレーシングチーム) 2h46m35s 39.5km/h

2位 マーク・デマール (チーム右京) +07s

3位 ベンジャミン・ダイボール (セントジョージコンチネンタルCT) +25s

4位 ベンジャミ・プラデス (チーム右京) +44s

5位 サルバドール・グアルディオラ (チーム右京) +45s

6位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +45s

7位 マーカス・カリー (セントジョージコンチネンタルCT) +48s

8位 マルコス・ガルシア (キナンサイクリングチーム) +57s

9位 ホセヴィセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) +57s

10位 雨澤毅明 (宇都宮ブリッツェン) +1m17s

13位 岡篤志 (宇都宮ブリッツェン) +3m53s

29位 飯野智行 (宇都宮ブリッツェン) +7m38s

33位 鈴木龍 (宇都宮ブリッツェン) +9m10s

41位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +12m37s

個人総合ポイント賞 第2ステージ終了時

1位 入部正太朗 (シマノレーシングチーム) 25P

2位 マーク・デマール (チーム右京) 20P

3位 ベンジャミン・ダイボール (セントジョージコンチネンタルCT) 16P

4位 ベンジャミ・プラデス (チーム右京) 14P

5位 サルバドール・グアルディオラ (キナンサイクリングチーム) 12P

6位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) 10P

個人総合山岳賞 第2ステージ終了時

1位 マーク・デマール (チーム右京) 24P

2位 マルコス・ガルシア (キナンサイクリングチーム) 12P

3位 ベンジャミ・プラデス (チーム右京) 8P

4位 フェン・チュンカイ (チャイニーズタイペイナショナルチーム) 6P

5位 畑中勇介 (チーム右京) 5P

6位 サルバドール・グアルディオラ (キナンサイクリングチーム) 3P

チーム総合時間 第2ステージ終了時

1位 セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム 8h24m51s

2位 キナンサイクリングチーム +37s

3位 宇都宮ブリッツェン +41s

4位 チーム右京 +1m12s

5位 マトリックスパワータグ +6m40s

6位 シマノレーシングチーム +9m56s





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[鈴木龍選手が1番にチェックアウトを済ませて車に乗り込む]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[年長者3人組がそろってチェックアウトを済ませて出てくる]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[会場に到着した雨澤選手がクイーンステージを前に集中した表情を見せる]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[展開次第で前の集団に残りたい岡選手も集中した表情を見せる]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[リーダージャージを着る阿部選手が出走サインを行う]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[過酷な山岳ステージのコースプロフィールが選手のステムに貼られる]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[各賞ジャージの選手たちが撮影に応じ、阿部選手が笑顔を見せる]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[熊野倶楽部を選手たちがパレードスタートする]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[鈴木譲選手を含む9名の逃げ集団が千枚田を進む]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[キナンサイクリングの攻撃で分断されたメイン集団が千枚田を縫うように走る]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[雨澤、鈴木龍、岡の3選手が先行するキナンサイクリング勢を追う]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[阿部選手と飯野選手を含む集団が前方の集団への合流を試みる]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[流れの中できっちり逃げに乗った鈴木譲選手が千枚田を下る]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[キナンサイクリング勢に遅れをとりたくない雨澤選手が前だけを見て追走する]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[想定したプランとは異なる展開のレースにも柔軟に対応する鈴木龍選手]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[千枚田の上りで若干遅れてしまった岡選手が前方への復帰を急ぐ]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[不得手なコースでもチームに貢献すべく阿部選手が前を急ぐ]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[チームに貢献する走りで自身の存在をアピールしたい飯野選手も粘りの走り]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[牽制が続く集団内で冷静な走りを続けた鈴木譲選手が6位でフィニッシュ]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[残り3kmで追走集団に追いつく粘りの走りを見せた雨澤選手は10位でフィニッシュ]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[惜しくも終盤の勝負どころに残れなかった岡選手は14位でフィニッシュ]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[力強い走りが戻りつつある飯野選手はさらに勝負どころに絡みたいところだ]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[34位でフィニッシュした鈴木龍選手は明日の第3ステージで勝利を狙う]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[リーダージャージを着ながらもチームのための走りをした阿部選手が41位でフィニッシュ]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[ゴールした選手たちはすぐにダウンを行い、次のステージの宿泊地へと向かう]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
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[表彰式の前に、前日の第1ステージで支払われる予定の賞金を水害被害からの復興に寄付することを選手・監督の総意で決定したことが清水監督から報告された]
©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY

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