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2017/06/02

ツール・ド・熊野 第1ステージ

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[上:逃げ集団によるゴールスプリント勝負で阿部選手が悔しい2位]
[下:シマノレーシングの入部がうれしい自身UCIレース初優勝を飾った]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY

6月1日(木)〜4日(日)の4日間にわたり、UCI-2.2のステージレース「ツール・ド・熊野」が開催されています。

2日(金)に、第1ステージが開催されました。

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このレースに、宇都宮ブリッツェンから以下の4名がエントリー。

鈴木譲
阿部嵩之
飯野智行
馬渡伸弥




UCI-2.2のステージレース「ツール・ド・熊野」の第1ステージが、和歌山県新宮市赤木川沿いのスピード系公道サーキットコース(1周16.3km)で開催され、レース序盤にできた18名の逃げ集団がそのまま逃げ切り、最後は逃げ集団でのゴールスプリント勝負をシマノレーシングチームの入部正太朗が制して、嬉しいUCIレースでの初勝利を挙げました。

宇都宮ブリッツェンは逃げ切った18名の逃げ集団に阿部選手が入り、最後のゴールスプリントに向けて絶妙な位置取りで一度は集団先頭に躍り出る場面を作りましたが、惜しくも番手につけられた入部選手に差され2位。それでも、第1ステージ終了時点で個人総合ポイントのトップに立ち、ポイントリーダーの証であるグリーンジャージを身に纏いました!


前日のプロローグで阿部選手が5位と、惜しくも優勝に手が届かなかった宇都宮ブリッツェン。本格的なロードレースのスタートとなる今日の第1ステージでも、出走人数が少ないことを逆手に取った積極的な走りで、現時点で獲れるものを貪欲に狙うことが期待されます。

そのため、例年集団が大きく割れることを考慮して全員が集団前方をキープすることを意識しつつも、序盤の逃げに阿部、飯野、馬渡の3選手が果敢に乗っていき山岳賞ジャージ獲得にチャレンジすること、大集団のゴールスプリントになった場合は最終コーナー手前から飯野、馬渡の2選手が集団先頭に立って阿部、鈴木譲とつなぐスプリントで勝負することを確認してレースに臨みました。

新宮駅前をスタートし約18kmのパレードランでリアルスタート地点へとやって来た集団は、UCIレースを主戦場とする海外勢から学生選抜の大学生まで、普段走っているレースもレベルも全く異なる選手たちが共存する状態。加えて、第1ステージのコースはハイスピードな上に対面通行や細い集落内の道などテクニカルな区間も多く、毎年集団が大きく割れて後方に残された選手は勝負に絡めないどころかこのステージでレースを終えることもあるリスキーなコースと言えます。

そのため、熊野川温泉さつき前に設定されたスタート地点から正式スタートが切られたレースは、多くの選手やチームが安全な集団前方にポジションをキープしようと混沌とした状態のまま激しいアタック合戦が繰り広げられる展開となります。

そんな中で数名の選手が飛び出したり、集団が大きく3つに割れたりなどの動きはあったものの、集団はひとつにまとまって2周回目へと入っていきます。

すると、2周回目に入ってすぐの18km地点で11名の選手が若干先行する展開に。宇都宮ブリッツェンは当初のプラン通りその中に阿部選手(宇都宮ブリッツェン)が入ってその後の動きを待つことになります。

その後、11名の逃げに向けて集団からは数名の選手が飛び出してブリッジをかけようとする展開となって3周回目へと入っていきます。

阿部(宇都宮ブリッツェン)含む11名

↓ 27秒

追走5名

↓ 50秒

追走3名

↓ 1分

メイン集団

その後、追走に出ていた選手の中から数名の選手が逃げ集団に追いつき、逃げ集団は18名と大所帯になります。

阿部(宇都宮ブリッツェン)

西薗、大久保、鈴木(BSアンカー)

佐野、トリビオ(マトリックスパワータグ)

M・ガルシア、山本(キナンサイクリング)

プジョル(チーム右京)

入部(シマノレーシング)

パク、チャ(LXサイクリング)

ポルセイェディゴラーホル、ダビデノク(タブリーズ)

チャウチャンクワン(タイ・コンチネンタル)

タルボット(セントジョージ)

フェリペ(セブンイレブン)

ヴォクト(グスト)

↓ 2分

メイン集団

大久保選手(BSアンカー)や鈴木選手(BSアンカー)、アジアチャンピオンのパク選手(LX)などステージ優勝争いに絡んできそうなスプリント力のある選手、西薗選手(BSアンカー)やプジョル選手(チーム右京)、M・ガルシア選手(キナンサイクリング)、トリビオ選手(マトリックス)、ポルセイェディゴラーホル選手(タブリーズ)など個人総合優勝争いに絡んでくる有力選手が多数はいったこの逃げは、メイン集団とのタイム差を保ったまま逃げ続けます。

一方のメイン集団は、有力チーム勢がエース級の選手たちを逃げ集団に送り込んだこともあり、しばらくコントロールするチームが現れない状態でしたが、大集団ゴールスプリントに持ち込んで勝機を見出したいセントジョージ・コンチネンタルCTとリーダーチームのアタッキ・チーム・グストがようやくコントロールを開始して逃げ集団とのタイム差を縮めに入ります。

しかし、有力選手がそろった逃げ集団とのタイム差はなかなか縮まらず、残り3周回となる5周回目の68kmを過ぎてもタイム差は1分30秒ほどある状態。

こうなると、逃げに選手を送り込んでいない国内コンチネンタルチーム勢も追走に加わらずを得ず、那須ブラーゼンや愛三工業レーシング勢がコントロールに加わってタイム差を縮めに入ります。

懸命の追走を見せたメイン集団は一時、逃げ集団とのタイム差を1分15秒程度にまで縮めますが、6周回目に入るとタイム差は1分30秒と無情にも再び開く展開に。

その後も、メイン集団が思うようにタイム差を縮められないまま、レースは最終周回となる7周回目へとはいっていきます。

逃げ集団

↓ 1分5秒

メイン集団

最終周回に入っても、逃げ集団とメイン集団とのタイム差は1分程度で動かず、コースの折り返しとなる小口を逃げ集団が通過。残り距離を考えると、逃げ切りが濃厚となってきます。

すると、逃げ集団内でも勝利を狙った動きが活性化。山本選手(キナンサイクリング)の積極的なアタックから4名の選手が抜け出し、逃げ集団もふたつに割れる展開となります。

先頭4名

↓ 5秒

追走13名

↓ 約1分

メイン集団

ここで、先頭4名に取り残される形で追走集団となった13名から飛び出したのは阿部選手(宇都宮ブリッツェン)。この動きに西薗選手(BSアンカー)も同調し、レースも残り2kmというところで先頭の4名の選手を吸収し、再び17名の集団にすることに成功します。

そして、レースはこのまま17名の逃げ集団が逃げ切り、勝負は17名でのゴールスプリントへ。

複数の選手を残し、かつスプリント力のある選手を抱えるチームに対し、単騎の阿部選手(宇都宮ブリッツェン)は得意のコーナリングでの突っ込みで勝負をかけていくことを決断。集団が緩んだ一瞬の隙を使ってイン側から先頭に出て最後からふたつ目のコーナーをクリアしていきます。

阿部選手(宇都宮ブリッツェン)はそのままの勢いで最終コーナーもクリアし、フィニッシュに向けてスプリントを開始しますが、その番手について最終コーナーをクリアした入部選手(シマノレーシング)に最後に差し切られ、惜しくも2位。

逆に、スプリントを制した入部選手は、嬉しいUCIレース初優勝となりました。

惜しくも2位となった阿部選手(宇都宮ブリッツェン)でしたが、プロローグと第1ステージで獲得したポイントの合計で優勝した入部選手(シマノレーシング)をわずか1ポイント上回り、個人総合ポイントで首位に立ち、ポイントリーダーの証であるグリーンジャージを獲得しました。

清水監督コメント

「今日のレースは第一目標をステージ優勝に置いて、4人しか選手がいない中で唯一、阿部選手が逃げに乗ってくれました。選手が4人と言う状況なので難しいのは重々分かってはいますが、阿部選手以外にもう1人逃げに乗せたい展開ではありました。ただ、TOJからの阿部選手の調子の良さは分かっていましたので、1人でも何とかやってくれるだろうと思っていましたし、実際その通りにやってくれました。残り5kmからの展開のなかで単騎の阿部選手が動かなければならなかったのは悔やまれますが、阿部選手の良さがあったから4名の先頭を捕まえてひとつにまとまったということもあると思います。最後は同じく1人で逃げに入った入部選手とのわずかなタイミングのズレで2位になってしまったかな、と。ただ、残り5kmから阿部選手が追走のために脚を使った上で勝利するためには最終コーナーを先頭で入らなければいけないところでしたし、実際にその通りに先頭で入ってスプリントでもいい伸びを見せてくれていましたので、たら・ればにはなりますが番手が入部選手でなければ勝てた可能性もあったかなと思います。とにかく、できることはしっかりやってくれました。昨日、今日と上位に入ったことでポイント賞ジャージも獲得できましたし、戦前から言ってきた少ない人数でできることは限られるけれど、獲れるものは獲っていこうということはまずひとつ達成できたかなと思います。ただ、まだ明日、明後日とレースは続きますので、引き続き攻めていきたいと思います」

Text:Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY

◆リザルト

[19th Tour de Kumano - UCI-2.2  - 1st Stage 赤木川清流 - 114.1km - ]

1位 入部正太朗 (シマノレーシングチーム) 2h33m30s 44.5km/h

2位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) st

3位 ホセヴィセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) st

4位 大久保陣 (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) st

5位 オスカル・プジョル・ムニョス (チーム右京) st

6位 パク・サンホン (LXサイクリングチーム) st

7位 鈴木龍 (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) st

8位 チャ・ドンヒョン (LXサイクリングチーム)

9位 ミルサマ・ポルセイェディゴラーホル (タブリーズ・シャハルダリ・チーム) st

10位 マルコス・ガルシア (キナンサイクリングチーム) st

20位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +1m22s

25位 飯野智行 (宇都宮ブリッツェン) +1m22s

68位 馬渡伸弥 (宇都宮ブリッツェン) +1m22s

出走=110名/完走=91名

◆個人総合時間 第1ステージ終了時

1位 入部正太朗 (シマノレーシングチーム) 2h34m12s 44.6km/h

2位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +03s

3位 オスカル・プジョル・ムニョス (チーム右京) +07s

4位 鈴木龍 (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +07s

5位 ホセヴィセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) +08s

6位 大久保陣 (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +09s

7位 パク・サンホン (LXサイクリングチーム) +10s

8位 チャ・ドンヒョン (LXサイクリングチーム) +11s

9位 西薗良太 (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +12s

10位 ペーラポル・チャウチャンクワン (タイ・コンチネンタルCT)

28位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +1m32s

50位 馬渡伸弥 (宇都宮ブリッツェン) +1m34s

81位 飯野智行 (宇都宮ブリッツェン) +1m37s

◆個人総合ポイント 第1ステージ終了時

1位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) 26P

2位 入部正太朗 (シマノレーシングチーム) 25P

3位 大久保陣 (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 19P

4位 オスカル・プジョル・ムニョス (チーム右京) 17P

5位 ホセヴィセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) 17P

6位 鈴木龍 (ブリヂストアンカーサイクリングチーム) 12P

◆個人総合山岳賞 第1ステージ終了時

1位 鈴木龍 (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 4P

2位 ホセヴィセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) 1P

3位 チャ・ドンヒョン (LXサイクリングチーム) 1P

◆チーム総合時間 第1ステージ終了時

1位 ブリヂストンアンカーサイクリングチーム 7h43m05s

2位 LXサイクリングチーム +1m24s

3位 タブリーズ・シャハルダリ・チーム +1m33s

4位 キナンサイクリングチーム +1m33s

5位 マトリックスパワータグ +1m40s

6位 チーム右京 +2m44s

8位 宇都宮ブリッツェン +2m46s

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[快晴に恵まれた和歌山県新宮市。朝から田村メカと曽我部マネージャーが準備を進める]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[準備を整えた選手がホテルをチェックアウトしてチームカーへとやって来る]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[いつも通り自分のリズムでスタートに向けて準備を進めていく鈴木譲選手]
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[数的不利を互いに補い合いながら戦うツール・ド・熊野がついに始まる]
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[この日も強い日差しが照りつけるため、阿部選手が日焼け止めを塗ってケアする]
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[初出場となるツール・ド・熊野を前にリラックスした表情を見せる馬渡選手]
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[TOJの落車の傷も癒えてきた飯野選手が出走サインを行う]
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[各チームの監督が笑顔を見せながらも腹の探り合いをしている?]
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[選手たちがパレードスタート地点の新宮駅前に集合し始める]
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[リアルスタート地点である熊野川温泉さつきに向けてパレード走行をする選手たち]
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[正式スタートが切られ、選手たちが飛び出していく]
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[激しいアタックの応酬に序盤から積極的に対応していく阿部選手]
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[集団がタテに長く伸びる状況も、しっかり集団前方でクリアする飯野選手]
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[優勝候補を多数含む18名の逃げ集団が形成され、阿部選手がその中に入る]
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[逃げの追走のためにさらにタテ長になるメイン集団でしっかり前方をキープする]
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[逃げが吸収され大集団ゴールスプリントになった時を考えながらメイン集団で走る鈴木譲選手]
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[18名の逃げ集団の中で阿部選手の孤独な戦いが続く]
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[TOJでのリタイアから少しずつ調子を取り戻しつつある飯野選手]
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[しっかりと補給を受け取り最終局面に備える鈴木譲選手]
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[初めてのツール・ド・熊野でも臆することなく集団前方をキープし続ける馬渡選手]
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[逃げ集団内で1人で戦い続けた阿部選手の頑張りを清水監督と田村メカが讃える]
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[馬渡選手の最終局面での動きを鈴木譲選手が労う]
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[悔しさの残る2位ではあるが、4人出走でしっかりと表彰台を確保した]
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[ポイント賞ジャージを纏った阿部選手は、獲れるものは獲りにいくというチームの姿勢を示した]
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[ジャージ着用者が行う表彰式後の餅まきに参加する阿部選手]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY

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