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2016/09/02

ツール・ド・北海道 第3ステージ

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[上:リードを若干失ったもののマラカイトグリーンジャージを守り抜いた増田選手]
[下:550mの激坂上りスプリントを制したデネグリがステージ優勝を飾り、個人総合時間も2位に浮上した]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS

9月1日(木)〜3日(土)の3日間にわたり、UCI-2.2のステージレース「ツール・ド・北海道」が開催されています。

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9月2日(金)に、第2ステージが開催されました。

このレースに、宇都宮ブリッツェンから以下の5名がエントリー。

増田成幸
鈴木譲
阿部嵩之
大久保陣
堀孝明



UCI-2.2のステージレース「ツール・ド・北海道」の第3ステージが、倶知安町・共和町・蘭越町・ニセコ町・京極町・喜茂別町・真狩村にまたがる180.0kmのロードレースで行われ、大集団での上りゴールスプリント勝負を制したNIPPO-ヴィーニファンティーニのピエールパオロ・デネグリがステージ優勝を飾りました。

宇都宮ブリッツェンは、前日の第2ステージで増田選手が手にしたツアーリーダーの証・マラカイトグリーンジャージをキープすることを目標にレースに臨み、個人総合時間に絡まない逃げを容認した後は他チームの力もうまく利用しながら集団をきっちりコントロールしてレースを展開。前日に奪ったリードを少しと集団コントロールに長ける阿部選手を失うことにはなってしまいましたが、増田選手のマラカイトグリーンジャージをキープして明日の最終ステージを迎えることとなりました。

また、ステージ順位では鈴木譲選手が10位に入り、個人総合時間でも8位とトップ10圏内をキープしています。

前日の歴史的な勝利から一夜明けて迎えた第3ステージ。ツアーリーダーの証であるマラカイトグリーンジャージを着用する増田選手擁する宇都宮ブリッツェンにとっては、その増田選手のジャージをキープして明日の最終ステージへとつなげることが、唯一にして絶対の目標となります。

そのため、個人総合時間を争う有力選手の動きを全選手がケアしながら個人総合時間争いに絡まない選手だけの逃げを作り、異なる思惑を持つ他チームの動きを上手く利用しながら集団をコントロールするという、5人出走のツール・ド・北海道では非常に困難なプランを絶対に達成しなければならないものとしてレースに臨みました。

倶知安町ヒラフスキー場をパレードスタートしたレースは、リアルスタートが切られると早速、激しいアタックの応酬が繰り広げられる展開となります。

このアタックには増田選手(宇都宮ブリッツェン)と個人総合時間を争う選手たちも積極的に関わっていっていたため、宇都宮ブリッツェンの選手たちもすぐさま反応してその芽を摘み取る動きを繰り返すこととなります。

そんなアタックと吸収のせめぎ合いがしばらく続いた中、20km地点付近で個人総合時間争いに絡まない2名の選手の逃げが形成される展開となります。

木村(シマノレーシング)

野中(キナンサイクリング)

↓ 15秒

メイン集団

個人総合時間争いに絡まない選手2名の逃げということで、リーダーチームの宇都宮ブリッツェンもこの逃げを容認。阿部選手(宇都宮ブリッツェン)と大久保選手(宇都宮ブリッツェン)が中心となって集団のコントロールを開始します。

その後、レースは2名の逃げと宇都宮ブリッツェンがコントロールする集団という展開のまま進みますが、間もなくこの日唯一の山岳ポイントとなる新見峠の上りに差し掛かろうかという30km過ぎになると、2名の選手が集団から飛び出して先行する2名の逃げの追走に入る展開となります。

木村(シマノレーシング)

野中(キナンサイクリング)

↓ 2分

ダットン(セントジョージメリダ)

フィーリー(SPIN 11 ダブリン)

↓ 20秒

メイン集団

さらにメイン集団からはブライコ選手(ジェリーベリー)が単独で追走2名にブリッジ。3名となった追走はKOM手前で先行していた2名と合流し、先頭は5名となって山岳ポイントへと向かっていき、最後に合流したブライコ選手(ジェリーベリー)が先頭で山岳ポイントを通過して下りへと入っていきます。

一方、同じく新見峠へと入ったメイン集団では、山岳賞も手中にしている増田選手(宇都宮ブリッツェン)と同2位のルバ選手(ブリヂストンアンカー)が6番手と7番手でKOMを通過し、それぞれ2ポイントと1ポイントを加算。増田選手(宇都宮ブリッツェン)は合計16ポイントとその差を広げることに成功して下りへと入っていきます。

下りへ入ると、上りの途中からチームメート同士で話し合う場面が見られたNIPPO-ヴィーニファンティーニ攻撃を開始。そのペースアップによって集団が分断される展開となります。

宇都宮ブリッツェン勢は堀選手(宇都宮ブリッツェン)が後方集団に残されてしまう事態となりますが、残る4選手はNIPPO-ヴィーニファンティーニのこの攻撃にもしっかり対応。ダメージを被ることなくレースを進めていきます。

その後、再びひとつの集団となったメイン集団は落ち着きを取り戻し、逃げていた選手たちも吸収。すると、そのカウンターで4名の選手が抜け出して新たな逃げを形成することとなります。

佐野(マトリクックスパワータグ)

早川(愛三工業レーシング)

阿曽(キナンサイクリング)

山本(鹿屋体育大学)

↓ 1分25秒

メイン集団

この4名も個人総合時間争いからは遅れているメンバーということもあり、宇都宮ブリッツェンもこの逃げを容認。再びコントロールを開始してレースは落ち着きを見せます。

その後しばらくは4名の逃げ集団と宇都宮ブリッツェンがコントロールするメイン集団という形のままレースが進んでいきますが、127.5km地点のホットスポット近付く頃になると、これまで献身的な働きで終始レースをコントロールし続けた阿部選手(宇都宮ブリッツェン)が力尽き、少しずつ集団から遅れていくこととなります。

ホットスポットを過ぎる頃になると、集団コントロールにジェリーベリー P/B MAXXISも加わるようになり、一時は4分50秒程度にまで開いていた4名の逃げ集団とのタイム差が少しずつ縮まっていく展開となります。

レースも残り30kmを切る頃になると逃げ集団内でも動きが出始め、佐野選手(マトリックスパワータグ)がアタックを仕掛けて飛び出します。この動きに早川選手(愛三工業レーシング)と山本選手(鹿屋体育大学)は反応して佐野選手(マトリックスパワータグ)を吸収しますが、阿曽選手(キナンサイクリング)は堪えきれず遅れてしまいます。

レースは、ジェリーベリー P/B MAXXISが中心となってペースを上げるメイン集団が追いつくか、それとも3名の逃げが逃げ切るかというせめぎ合いのまま残り距離を減らしていく展開に。

すると、レースも残り7kmになろうかという段階で、メイン集団から吉岡選手(那須ブラーゼン)と木村選手(シマノレーシング)がアタックを仕掛け、山本選手(鹿屋体育大学)がドロップして佐野選手(マトリックスパワータグ)と早川選手(愛三工業レーシング)の2名となった先頭へと迫る展開となります。

しかし、2名の追走は惜しくも残り3km地点付近で吸収されてしまい、さらに逃げ続けた2名の選手も残り1km付近でついに集団に吸収されて、ひとつの集団となって最終局面の上りスプリントを迎えることとなります。

およそ500m続く激坂の上りスプリントを制したのは、過酷なコースで知られるツアー・オブ・ジャパンの南信州ステージで2度の勝利を飾っているデネグリ選手(NIPPO-ヴィーニファンティーニ)。中盤には攻撃を仕掛け、集団コントロールに加わる場面もあり脚を使った状況にかかわらず、見事なステージ優勝を飾りました。

宇都宮ブリッツェン勢は、上りゴールスプリントでライバル勢に挑んだ鈴木譲選手がわずかに及ばず10位。増田選手もわずかに遅れてタイムを失ってしまったものの14位でフィニッシュ。過酷なステージで、見事にマラカイトグリーンジャージとチーム総合時間1位をキープして、明日の最終ステージを迎えることとなりました。

清水監督コメント

「コース的にも厳しいステージでしたが、自分たちも力を振り絞って何とかジャージをキープすることができました。ただ全部が全部、自分たちの力でという訳ではなく、周りのチームの力も上手く利用しながらという身の丈に合ったレースをしたことで、セオリー通りに守れたのかな、と。阿部選手にかかる負担がどうしても大きくなってしまい、阿部選手は今日のステージでレースを降りることになってしまいましたが、阿部選手のおかげで今日のジャージは守れたなと思っています。また、今日はコントロールするだけでなく、NIPPO-ヴィーニファンティーニやブリヂストンアンカーなど過去に北海道で総合優勝を収めているチームの攻撃を防いだ上でのレースでもありましたので、選手皆んな良くやってくれたと思います。明日は今日よりも距離も長く上りも厳しいと言われているので、間違いなく厳しい戦いになると思います。また、最終ステージということで結果を残さなければいけないチームが動いてくるとも思われます。明日はコース、相手の動き、そして自分たちの力という3つのバランスが噛み合えばジャージを守れると思っていますので頑張ります」

Text:Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY

◆[リザルト

[TOUR DE HOKKAIDO(UCI-2.2) - 3rd Stage - 180.0km - ]

1位 ピエールパオロ・デネグリ (NIPPO-ヴィーニファンティーニ) 4h34m42s 38.7km/h

2位 リカルド・ガルシア (キナンサイクリングチーム) st

3位 中根英登 (愛三工業レーシングチーム) st

4位 リカルド・スタキオッティ (NIPPO-ヴィーニファンティーニ) st

5位 シリル・ティエリー (ヴェロクラブ メンドリシオ) st

6位 ジャイ・クロフォード (キナンサイクリングチーム) st

7位 岡本隼 (日本大学) st

8位 ベンジャミン・プラデス (Team UKYO) +05s

9位 トマ・ルバ (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +07s

10位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +09s

14位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) +14s

20位 堀孝明 (宇都宮ブリッツェン) +21s

78位 大久保陣 (宇都宮ブリッツェン) +13m13s

DNF 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン)

出走=87名/完走=78名

◆個人総合時間 第3ステージ終了時

1位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) 7h16m05s 39.3km/h

2位 ピエールパオロ・デネグリ (NIPPO-ヴィーニファンティーニ) +27s

3位 リカルド・ガルシア (キナンサイクリングチーム) +27s

4位 中根英登 (愛三工業レーシングチーム) +29s

5位 シリル・ティエリー (ヴェロクラブ メンドリシオ) +30s

6位 ジャイ・クロフォード (キナンサイクリングチーム) +33s

7位 ベンジャミン・プラデス (Team UKYO) +35s

8位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +40s

9位 トマ・ルバ (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +45s

10位 マッテオ・バディラッティ (ヴェロクラブ メンドリシオ) +50s

23位 堀孝明 (宇都宮ブリッツェン) +6m57s

74位 大久保陣 (宇都宮ブリッツェン) +19m44s

◆個人総合ポイント 第3ステージ終了時

1位 ピエールパオロ・デネグリ (NIPPO-ヴィーニファンティーニ) 32P

2位 シリル・ティエリー (ヴェロクラブ メンドリシオ) +24P

3位 リカルド・スタキオッティ (NIPPO-ヴィーニファンティーニ) 22P

4位 リカルド・ガルシア (キナンサイクリングチーム) 20P

5位 中根英登 (愛三工業レーシングチーム) 20P

6位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) 17P

◆個人総合山岳 第3ステージ終了時

1位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) 16P

2位 トマ・ルバ (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 11P

3位 アレクサンダー・ブライコ (ジェリーベリー P/B MAXXIS) 10P

4位 ジェイ・ダットン (セントジョージメリダ サイクリングチーム) 8P

5位 ダニエル・ボネロ (セントジョージメリダ サイクリングチーム) 6P

6位 ダラ・フィーリー (SPIN 11 ダブリン) 6P

◆チーム総合時間 第3ステージ終了時

1位 宇都宮ブリッツェン 21h55m55s

2位 キナンサイクリングチーム +29s

3位 ヴェロクラブ メンドリシオ +54s

4位 ブリヂストンアンカーサイクリングチーム +1m23s

5位 Team UKYO +6m51s

6位 愛三工業レーシングチーム +7m42s


1
[9月の北海道とは思えない強い日差しが羊蹄山の麓のスタート地点にも降り注ぐ]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
2
[マラカイトグリーンジャージを着た増田選手がスタートに合わせて準備を進める]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
3
[リーダーチームとしてのコントロールという重責を担う阿部選手と大久保選手が念入りにアップを行う]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
4
[スタート時間に合わせて大会関係車輌の隊列も整い始める]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
517
[リーダーの増田選手自ら逃げの選別に入るなど序盤から動きを見せる]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
654
[この後に起こり得るあらゆるシチュエーションを想定し、対応できるようにチーム一丸となって走る]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
778
[宇都宮ブリッツェンのコントロールによって落ち着いた集団が補給所へと向かう]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
888
[阿部選手を中心に宇都宮ブリッツェンが集団をコントロールする時間が続く]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
10
[リーダーの重圧も今の増田選手ならきっとはねのけてくれるに違いない]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
11
[阿部選手を欠くことになったが、残る4名で最後の戦いに挑む…]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS

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