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2016/09/01

ツール・ド・北海道 第2ステージ

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[上:レース序盤から積極的な動きを見せた増田選手が歴史的な大逃げ勝利を飾った!]
[下:鈴木譲選手も3位に入り、熊野に続きUCIレースで2選手が表彰台に上がった]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS

9月1日(木)〜3日(土)の3日間にわたり、UCI-2.2のステージレース「ツール・ド・北海道」が開催されています。

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9月1日(木)に、第2ステージが開催されました。

このレースに、宇都宮ブリッツェンから以下の5名がエントリー。

増田成幸
鈴木譲
阿部嵩之
大久保陣
堀孝明


UCI-2.2のステージレース「ツール・ド・北海道」の第2ステージが、札幌市・小樽市・赤井川村・倶知安町にまたがる111.0kmのロードレースで開催され、ふたつ目の山岳ポイントとなる毛無峠の上りに入る手前から単独で抜け出した宇都宮ブリッツェンの増田成幸が、有力選手ぞろいの14名の追走集団に最後はタイムを詰められながらも50km強を独走で逃げ切り、見事にステージ優勝を飾りました!

また、追走集団14名のゴールスプリントでは鈴木譲選手がきっちりと3位に入り、宇都宮ブリッツェンから2選手が表彰台に上がる素晴らしい結果のステージとなりました。

第2ステージの結果、増田選手は最も名誉ある個人総合時間リーダーの証であるマラカイトグリーンジャージを着用し、明日の第3ステージに臨むことになります。


午前に行われた個人タイムトライアルの第1ステージに続いて行われた午後の第2ステージ。

コースは札幌市から小樽市と赤井川村を経て倶知安町役場にフィニッシュする111.0km(含むパレード3.1km)のロードレース。距離は短いながらも、札幌市から小樽市にわたる朝里峠と小樽市から赤井川村にわたる毛無峠のふたつを越える厳しいレイアウトのコースと言えます。

宇都宮ブリッツェンは有力チームの動きに注意を払いつつも、受け身になることなく“獲れるものは全て獲る”という攻撃的な走りをしていくことを念頭にレースに臨みました。

アパホテル&リゾート札幌前をパレードスタートしたレースは、3kmほどのパレードを終えてリアルスタートが切られると、激しいアタック合戦が繰り広げられる展開となります。

そんな中、5km過ぎに15名の選手が飛び出して集団から10秒ほどのリードを奪いますが、この動きは集団が吸収。その後もアタックが繰り返される展開となりますが決定的な逃げが決まらずにレースは進んでいきます。

すると15km過ぎにボネロ選手(セントジョージメリダ)が単独で飛び出すと、その動きにルバ選手(ブリヂストンアンカー)が反応して追走に入り先頭に合流。さらに増田選手(宇都宮ブリッツェン)と西薗選手(ブリヂストンアンカー)が続いて合流し、先頭は4名となります。

増田(宇都宮ブリッツェン)

ルバ、西薗(ブリヂストンアンカー)

ボネロ(セントジョージメリダ)

↓ 20秒

メイン集団

先行した4名の逃げ集団はメイン集団とのタイム差を最大で50秒程度にまで広げ、ひとつ目の山岳ポイントである朝里峠へと入っていきます。

朝里峠に入ると、先行していた4名から西薗選手(ブリヂストンアンカー)がドロップし、先頭は3名に。そのまま3名で山岳賞を争い、増田選手(宇都宮ブリッツェン)、ルバ選手(ブリヂストンアンカー)、ボネロ選手(セントジョージメリダ)の順で最初の山岳ポイントを通過します。

その後、下りに入ると集団から上りで抜け出した選手たちが次々と迫り、先行していた3名の選手を吸収。先頭は20名ほどの集団となって51.4km地点に設定されたホットスポットへと向かっていきます。

スプリントポイント争いではプラデス選手(Team UKYO)がトップ通過。2番手に鈴木譲選手(宇都宮ブリッツェン)が入り、集団はそのまま補給地点へと向かっていく展開となります。

するとここで、山岳賞ジャージを確かなものにしようとした増田選手(宇都宮ブリッツェン)がアタックを仕掛けて単独で飛び出し、補給地点の段階で20名ほどいた集団から30秒程度のリードを奪ってふたつ目の山岳ポイントである毛無峠へと突入します。

毛無峠に入ると、増田選手(宇都宮ブリッツェン)は持ち前の登坂力の高さを発揮し、後方の集団とのタイム差をすぐさま1分20秒前後にまで拡大。その後も勢いを維持し、ふたつ目の山岳ポイントを先頭で通過してこの日の山岳賞ジャージを確定させた時には2分以上のタイム差をつける状況となります。

この状況を受け、増田選手(宇都宮ブリッツェン)はチームカーを呼び清水監督と相談。清水監督からの逃げ切りにチャレンジして勝負しようという言葉を受け、レースもまだ40km程度残る中での孤独な独り旅へと入っていくことになります。

その頃、追走集団となった20名ほどの集団からは毛無峠の上りで選手が数人こぼれ落ち、追走は15名に。この追走集団には有力選手ばかりが揃っていたこともあり、ひと度まとまれば一気に先行する増田選手(宇都宮ブリッツェン)を吸収できるであろうと予想されます。

増田(宇都宮ブリッツェン)

↓ 約2分

鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)

デネグリ(NIPPO-ヴィーニファンティーニ)

プラデス(Team UKYO)

トリビオ、フェルナンデス(マトリックスパワータグ)

ルバ、モニエ(ブリヂストンアンカー)

中根(愛三工業レーシング)

吉岡(那須ブラーゼン)

クロフォード、ガルシア(キナンサイクリング)

ボネロ(セントジョージメリダ)

バディラッティ、ティエリー(ヴェロクラブ メンドリシオ)

シーハン(ジェリーベリー)

しかし、下りに入るとまず、トリビオ選手(マトリックスパワータグ)がドロップし、追走は14名に。

14名とはなったものの、ここからペースを上げて先行する増田選手(宇都宮ブリッツェン)を吸収したい追走集団でしたが、集団内で脚に余力がある選手と既にキツイ状況の選手とが混在している状態だったことに加え、単独で集団に入った選手たちが積極的に引かない状況となったことや増田選手(宇都宮ブリッツェン)のチームメートでスプリント力のある鈴木譲選手(宇都宮ブリッツェン)が脚を温存できる状態で集団内にいることなどさまざまな状況が重なり、なかなか追走のペースが上がらない状況が続きます。

そうこうするうちに、先頭を独走する増田選手(宇都宮ブリッツェン)は、1分25秒のタイム差をつけたまま残り10kmmを迎えることとなります。

残り距離が少なくなるとようやく追走集団も活性化し、先行する増田選手(宇都宮ブリッツェン)を吸収しようとタイム差を縮めていく展開となりますが、日本人トップクラスの実力を誇る増田選手(宇都宮ブリッツェン)も持て得る限りの力を振り絞ってペダルを踏み続け、50秒のリードを保って残り1kmを迎えることとなります。

残り500mほどとなりホームストレートに姿を現した増田選手(宇都宮ブリッツェン)は、一度振り返って後方を確認すると勝利を確信。ジャージのファスナーを上げて身支度を整えると、右手でガッツポーズを作りながらフィニッシュラインへ向かうと、最後は左手を高々と突き上げてフィニッシュ。

レースのほぼ半分を単独で逃げ切るという、30回目を迎えるツール・ド・北海道でも歴史的なレース展開で見事にステージ優勝を飾りました!

このステージの結果、増田選手(宇都宮ブリッツェン)は個人総合時間でもトップに立ち、最も名誉あるマラカイトグリーンジャージを獲得。明日の第3ステージは、リーダーチームとして強豪ぞろいのレースに臨むこととなりました。

清水監督コメント

「応援いただいた皆さん、ありがとうございました!今日の結果でまず、UCIレースという大舞台での個人総合優勝というものに挑戦する権利を得ることができました。今日のレースは本当に、増田選手の誰も文句のつけようがない素晴らしい走りで、観客の皆さん、大会運営スタッフ、そして我々チームメートとスタッフと、観る者すべてに感動を与えてくれる走りだったと思います。一見すると無謀な走りだったようにも見えますが、私としてはひとつ目の山岳をクリアした時の4人のメンバーがいいメンバーだったので、ひょっとして可能性があるかな?と思っていましたが、その逃げは吸収されてしまいました。そこから山岳賞狙いのアタックを仕掛けて単独になってしまったのですが、後続とすぐに1分30秒程度タイム差がついた。また、後続の集団のメンバーとチームを見て、強力なメンバーがそろってはいましたが果たして意思疎通が取れて追走できるだろうかとも思いましたし、集団であっても上りでは増田選手の方に分があると思ったので、まずは山岳賞ジャージを確定させるまでは増田選手に踏ん張ってもらって、その後のことはその時のタイム差を見て決めようと相談しました。頂上をクリアした段階で2分以上の差が開いていたので、今の増田選手であれば逃げ切りの可能性は高いと判断して“一緒に行こう!”と言って挑戦してもらって、増田選手は本当に辛かったと思いますが耐え切ってくれ、歴史に残る素晴らしい勝利を挙げてくれました。ただ、本当の勝負はこれからですし、明日からやるリーダーチームとしての動きといううことをチームとしてもやりたいと思っていたことなので、今日は全員が十分に頑張った中で増田選手が人一倍頑張ってくれた分、明日以降は残る選手たちに人一倍頑張ってもらって、総合優勝を目指して頑張りたいと思います」

増田選手コメント

「今回のツール・ド・北海道が始まる前に、チームとして獲れる可能性のあるものは、何でもいいから持って帰ろうという話をミーティングでもしていた中で、今日のひとつ目の山岳ポイントでスプリントをしたら1位で通過できたので、ふたつ目の山岳でもポイントを加算できれば山岳賞を獲れると思って走っていました。ふたつ目の峠の下から攻撃を仕掛けていったため自分1人だけになってしまったんですが、頂上で2分近くタイム差が開いて1位通過することができました。ただ、この後どうしよう、ここから先もまだ長いし一人旅しても捕まるだろうと思ってチームカーを呼んで監督と相談したところ、『このまま一か八か、ゴールを独走で目指してくれ!』と言うので、正直心の中では“そんなことできる訳ないだろ~!”と思ってました。ただ、後ろには鈴木譲選手もいるということを監督からも聞いて、仮に自分が捕まってもチームとして何かは残せるだろうと思ったので、じゃあこのまま行ってやろう!と。そこから一人旅が始まったんですが、風の抵抗だったり非効率なものを少しでも減らすためにコンパクトな姿勢を保って走って、とにかく1秒でも早くゴールにたどり着くためにすべての努力をしました。途中、コースプロフィール上ではKOMなどに設定されていない三つ目の山というか丘があるんですが、そこでもう脱水で脚も攣って20km/hしか出てなくてタイム差も1分30秒ぐらいまで縮まってきて“あぁ、これはもう捕まる”と弱気になった時に、監督が『皆んな応援しに来てくれてるから!』『皆んな応援してるぞ!』『後ろに譲がいるから大丈夫だ!』と檄を飛ばし続けて勇気づけてくれて、そこから先はゴールまで本当に追い込み抜きましたね。2分開いていたし、集団に戻らずにチャレンジして本当に良かったですね。北海道にも宇都宮ブリッツェンを応援してくださっている方がたくさんいますし、宇都宮、栃木からもたくさん応援に来てくださっているので、今日の勝利はすごく嬉しいです。今年は全日本選手権も落としていましたし、Jプロツアーで2勝しているとはいえ、今日の勝利は本当に感慨深いものがあります。明日のステージはリーダーチームとして迎えることになりますが、引かせたら阿部選手と大久保選手は頼りになりますし、鈴木譲選手と堀選手も上りは今大会調子が良いと思うのでチームメートも全員強いし信頼しています。今の時点ではミーティングもしていないのでどうやって戦うかはまだ分かりませんが、5人で力を合わせて戦えば最終日に皆んなで笑って帰れるんじゃないかと思っています」

Text:Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY

◆[リザルト

[TOUR DE HOKKAIDO(UCI-2.2) - 2nd Stage - 111.0km - ]

1位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) 2h39m56s 40.5km/h

2位 ダミアン・モニエ (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +42s

3位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +42s

4位 ピエールパオロ・デネグリ (NIPPO-ヴィーニファンティーニ) +42s

5位 アイラン・フェルナンデス (マトリックスパワータグ) +42s

6位 吉岡直哉 (那須ブラーゼン) +42s

7位 中根英登 (愛三工業レーシングチーム) +42s

8位 シリル・ティエリー (ヴェロクラブ メンドリシオ) +42s

9位 ベンジャミン・プラデス (Team UKYO) +42s

10位 ジャイ・クロフォード (キナンサイクリングチーム) +42s

30位 堀孝明 (宇都宮ブリッツェン) +6m41s

57位 大久保陣 (宇都宮ブリッツェン) +6m41s

73位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +8m57s

出走=99名/完走=87名

◆個人総合時間 第3ステージ終了時

1位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) 2h41m09s 40.5km/h

2位 シリル・ティエリー (ヴェロクラブ メンドリシオ) +44s

3位 ベンジャミン・プラデス (Team UKYO) +44s

4位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +45s

5位 中根英登 (愛三工業レーシングチーム) +47s

6位 リカルド・ガルシア (キナンサイクリングチーム) +47s

7位 ジャイ・クロフォード (キナンサイクリングチーム) +47s

8位 ダミアン・モニエ (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +48s

9位 マイケル・シーハン (ジェリーベリー P/B MAXXIS) +49s

10位 アイラン・フェルナンデス (マトリックスパワータグ) +50s

21位 大久保陣 (宇都宮ブリッツェン) +6m45s

41位 堀孝明 (宇都宮ブリッツェン) +6m50s

72位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +9m02s

◆個人総合ポイント 第2ステージ終了時

1位 シリル・ティエリー (ヴェロクラブ メンドリシオ) 12P

2位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) 11P

3位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) 10P

4位 ジョン・アベラストゥリ・イザガ (Team UKYO) 10P

5位 ダミアン・モニエ (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 9P

6位 リカルド・スタキオッティ (NIPPO-ヴィーニファンティーニ) 8P

◆個人総合山岳 第2ステージ終了時

1位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) 14P

2位 トマ・ルバ (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 10P

3位 ダニエル・ボネロ (セントジョージ メリダ サイクリングチーム) 6P

4位 リカルド・ガルシア (キナンサイクリングチーム) 2P

5位 山本大喜 (鹿屋体育大学) 2P

6位 ダミアン・モニエ (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 1P

◆チーム総合時間 第2ステージ終了時

1位 宇都宮ブリッツェン 8h11m05s

2位 キナンサイクリングチーム +42s

3位 ヴェロクラブ メンドリシオ +44s

4位 ブリヂストンアンカーサイクリングチーム +49s

5位 Team UKYO +6m37s

6位 マトリックスパワータグ +6m41s


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[第1ステージ終了からのわずかな時間に各選手の要望に応えるセッティングを行う田村メカ]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[スタートまでの間、エアコンの効いたホテルのロビーで少しでも身体を休める]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[スタート時間に合わせ整列を始める宇都宮ブリッツェンの選手たち]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[レース序盤から有力選手勢が積極的に動く展開に、増田選手も自ら対応する]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[鈴木譲選手が追走集団に入ったことが、増田選手に有利な状況を作る隠れた好アシストになった]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[北海道、そしてラインレースならではの風景の中、プロトンが進んでいく]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
Htc2957
[この後の動きについて増田選手と清水監督が相談した瞬間から、歴史的な大逃げが始まった]
photo(C):Hideaki.TAKAGI
Htc3861
[追走集団がじわじわとタイム差を縮めてくる中、勝利だけを信じてペダルを踏み続ける]
photo(C):Hideaki.TAKAGI
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[2人の絆が紡いだ勝利に、喜びを爆発させる増田選手と清水監督]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[ふたつのKOMを1位で通過した増田選手がまず、山岳賞ジャージに袖を通す]
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[勇気を持って逃げ続けたからこそつかめたマラカイトグリーンジャージ。明日からはジャージを守るための戦いが始まる]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS

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