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2016/06/22

ツール・ド・熊野 第3ステージ

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[上:写真判定にもつれるゴールスプリント勝負の末、大久保選手が今大会2勝目をチームにもたらした!]
[下:宇都宮ブリッツェンは、若手中心のメンバーで臨んだ今年の熊野を最高の形で締めくくった]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS

6月16日(木)〜19日(日)の4日間にわたり、UCI-2.2のステージレース「ツール・ド・熊野」が開催されました。

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6月19日(日)に、第3ステージが行われました。

このレースに、宇都宮ブリッツェンから以下の5名がエントリー。

阿部嵩之
大久保陣
飯野智行
堀孝明
雨澤毅明
小野寺玲



UCI-2.2のステージレース「ツール・ド・熊野」の第3ステージが、テクニカルかつハイスピードな太地半島の周回コース(1周=10.0km)で開催され、レース序盤で形成された6名の逃げ集団から最終周回にさらに飛び出した3名が逃げ切り。最後はアイラン・フェルナンデスとのマッチスプリントを制した宇都宮ブリッツェンの大久保陣選手がステージ優勝を飾りました!

総合成績は、個人総合時間=オスカル・プジョル(Team UKYO)、個人総合ポイント=ジョン・アベラストゥリ(Team UKYO)、個人総合山岳=ウェズリー・サルツバーガー(キナンサイクリングチーム)、ヤングライダー=秋田拓磨(シマノレーシング)、そしてチーム総合時間=キナンサイクリングチームという内容で全日程を終了しています。

宇都宮ブリッツェン勢は、初日のプロローグで阿部選手、第3ステージで大久保選手がステージ優勝を飾り、全4ステージのレースで2勝をマークしてUCIポイントを獲得。個人総合時間は堀選手の22位が最上位という結果でツール・ド・熊野を終えています。

クイーンステージとなった第2ステージ熊野山岳で個人総合時間争いに大きな変動があった状態で迎える、ツール・ド・熊野の最終ステージとなる第3ステージ。リーダージャージを着るプジョル選手(Team UKYO)と2位のM・ガルシア選手(キナンサイクリング)とのタイム差は9秒、個人総合ポイントも1位のアベラストゥリ選手(Team UKYO)と3位ケリソン選手(ステイトオブマター)とが5ポイント差と、第3ステージでの結果次第では逆転可能な状態ということもあって激しいレースとなることが予想されます。

宇都宮ブリッツェンは、前日の第2ステージで個人総合時間上位を狙った堀選手と雨澤選手が落車によってタイムを失い、挽回するのは厳しいタイム差ということもあり、第3ステージはステージ優勝を狙いにシフトチェンジ。ゴールスプリントにもつれた際の勝負要員に阿部選手と大久保選手の2名を残し、残る飯野・堀・雨澤の3選手が勝ち逃げに乗っていくことを狙ってレースに臨みました。

レースはスタートから、さまざまな思惑を持ったチーム同士のアタックの応酬が繰り広げられる展開となります。

すると早速2周回目に木村選手(シマノレーシング)とモニエ選手(BSアンカー)の2名が抜け出し、集団から10秒程度のリードを奪う展開に。

先行する2名に対し、集団から真っ先に飛び出したのは阿部選手(宇都宮ブリッツェン)。さらにケリソン選手(ステイトオブマター)とフェルナンデス選手(マトリックスパワータグ)が合流、最後に大久保選手(宇都宮ブリッツェン)が合流して6名の逃げ集団が形成されます。

阿部、大久保(宇都宮ブリッツェン)

モニエ(BSアンカー)

フェルナンデス(マトリックス)

木村(シマノレーシング)

ケリソン(ステイトオブマター)

↓ 11秒

メイン集団

メイン集団からは逃げ集団の追走に個人総合時間上位の3名が出る場面があったものの、その動きはメイン集団が確実にチェック。その後もメイン集団は個人総合時間上位勢の思惑がぶつかり合う形となり、逃げ集団とのタイム差は30~50秒程度の間でレースが進んでいくこととなります。

レースも折り返しとなる5周回に入る頃になると予報通りに雨が降り始め、やがてレースの続行ができるのかというほどの大雨と強風に。その頃になると6名の逃げ集団とメイン集団とのタイム差は1分30~50秒程度にまで広がる展開となります。

その後も6名の逃げ集団はタイム差を保ったまま快調に逃げ続け、一方のメイン集団は個人総合時間逆転を狙い攻撃を仕掛けるキナンサイクリング勢と受けるTeam UKYO勢という図式で少しずつペースアップしながら、残り3周回を迎えることとなります。

相変わらず激しく降り続ける雨と強風という天候、そして後方のメイン集団では個人総合時間上位勢の潰し合いという状況、そして現時点でのタイム差を考慮すると逃げ集団の逃げ切りの可能性が少しずつ高まっていきます。

残り2周回となる9周回目に入ると、6名の逃げ集団からはスプリントポイントを獲得して目的を達成したケリソン選手(ステイトオブマター)がドロップし、逃げ集団は5名になりますが、メイン集団とのタイム差を50秒程度に抑えて逃げ続け、レースはついに最終周回へ。

最終周回に入ると、逃げ集団から木村選手(シマノレーシング)がアタック。このアタックにすかさず大久保選手(宇都宮ブリッツェン)が反応し、少ししてフェルナンデス選手(マトリックスパワータグ)もジョイン。勝負はこの3名に絞られるであろう展開となります。

逃げ切りを狙う3名はローテーションしてまずは逃げ切りをほぼ手中に。残り1kmを切ったところから3名の中での勝負が繰り広げられます。

残り500mを切ると3名の中で牽制が始まり、残り200mから大久保選手(宇都宮ブリッツェン)が先がけでスプリントを開始。

フェルナンデス選手(マトリックスパワータグ)が大久保選手(宇都宮ブリッツェン)の番手に入ってスプリントを開始しますが差しきれず。80km以上にわたって逃げ続けた末のスプリントで、大久保選手 (宇都宮ブリッツェン)が見事にステージ優勝を飾りました!

清水監督コメント

「今日のステージは個人総合時間争いなどもあって厳しいレースになることは予想がついていた中で、その隙を突いてうまく立ち回って勝利を手にした素晴らしいレースだったと思います。昨夜のミーティングの段階では阿部選手と大久保選手は最後のスプリント要員で、残る3選手が勝ち逃げに乗るというプランでした。ですが、今朝に各チームの話を聞いてみるとどうやら激しいレースになりそうだということが分かったので、阿部選手と大久保選手にも行けるようであれば行ってみてくれということは伝えていました。その通りセンスある2人が逃げに乗り、スプリンターとルーラーという完璧な組み合わせでレースを展開してくれ、最後は奈良クリテリウムから勝ちたくて仕方がなかったのに2位続きでチームメートに勝ちを譲る形になっていた大久保選手が勝ってくれました。奈良クリテリウムから考えると、平地系の3選手(阿部・大久保・小野寺)が勝ちを分け合う形になったので良かったです。今日はチームカーを運転していても前が見えず、これまで経験したことがないというほどの激しい雨の中でのレースになりましたが、全員がしっかりと走りきってくれたと思います。今回のツール・ド・熊野は4ステージ中2勝と半分勝っている部分を見れば申し分ないと思いますし、実際に過去にない素晴らしい結果だとも思います。ですが、総合系の部分では若手選手たちが本領発揮とまではいかなかったので、そこは経験値を上げたと信じて育てていけば、彼らはきっと羽ばたいてくれると思っています」

大久保選手コメント

「今日はもともと逃げるつもりはなかったのですが阿部選手が先に行ったのが見えましたし、スプリントも厳しいと感じていたので逃げにジャンプしました。逃げ集団では阿部選手もいたので心強かったですし、途中から雨もどんどん酷くなってきたので“これは逃げ切れるんじゃないか”と思いながらレースを進めていて、結果的に逃げ切れましたね。最後の場面は後ろと20秒差という情報は得ていたので、3人で回ってゴール前まで行こうと話し合って、残り5、600mぐらいから牽制が入って、残り200mぐらいで自分が先行する形でスプリントを開始して勝ったという感じでした。ここ数レースなかなか勝てず、逆に小野寺選手と阿部選手の優勝に刺激をもらっていました。長らくお待たせしました、というか、なかなか勝てない男になっていたので、今日はしっかりと決められて良かったです。全日本選手権もまたすぐにありますし、みんないい調子で臨めると思いますので、変わらぬ応援をよろしくお願いします!」

Text:Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY


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[Tour de Kumano - UCI-2.2 - 3rd Stage 太地半島 - 100.0km - ]

1位 大久保陣 (宇都宮ブリッツェン) 2h32m29s 39.3km/h

2位 アイラン・フェルナンデス (マトリックスパワータグ) st

3位 木村圭佑 (シマノレーシングチーム) +02s

4位 ジョン・アベラストゥリ (Team UKYO) +19s

5位 トマ・ルバ (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +19s

6位 内間康平 (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +19s

7位 入部正太朗 (シマノレーシングチーム) +19s

8位 ホセヴィセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) +19s

9位 伊藤雅和 (愛三工業レーシングチーム) +19s

10位 ベンジャミン・プラデス (Team UKYO) +19s

13位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +24s

32位 雨澤毅明 (宇都宮ブリッツェン) +3m06s

33位 堀孝明 (宇都宮ブリッツェン) +3m06s

42位 飯野智行 (宇都宮ブリッツェン) +5m32s

出走=74名/完走=44名

◆個人総合時間 第3ステージ終了時

1位 オスカル・プジョル (Team UKYO) 7h58m13s 40.6km/h

2位 ベンジャミン・プラデス (Team UKYO) +31s

3位 トマ・ルバ (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +35s

4位 ホセヴィセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) +43s

5位 伊藤雅和 (愛三工業レーシングチーム) +44s

6位 ジャイ・クロフォード (キナンサイクリングチーム) +44s

7位 マイケル・カミング (ステイトオブマター/マープ) +45s

8位 内間康平 (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +1m07s

9位 入部正太朗 (シマノレーシングチーム) +1m27s

10位 マルコス・ガルシア (キナンサイクリングチーム) +1m30s

22位 堀孝明 (宇都宮ブリッツェン) +7m34s

24位 飯野智行 (宇都宮ブリッツェン) +10m10s

28位 雨澤毅明 (宇都宮ブリッツェン) +11m43s

33位 大久保陣 (宇都宮ブリッツェン) +15m13s

43位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +21m02s

◆個人総合ポイント 第3ステージ終了時

1位 ジョン・アベラストゥリ (Team UKYO) 42P

2位 ジェシー・ケリソン (ステイトオブマター/マープ) 35P

3位 大久保陣 (宇都宮ブリッツェン) 34P

4位 オスカル・プジョル (Team UKYO) 30P

5位 トマ・ルバ (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 27P

6位 ベンジャミン・プラデス (Team UKYO) 26P

◆個人総合山岳 第3ステージ終了時

1位 ウェズリー・サルツバーガー (キナンサイクリングチーム) 18P

2位 平塚吉光 (愛三工業レーシングチーム) 12P

3位 内間康平 (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 8P

4位 オスカル・プジョル (Team UKYO) 7P

5位 マルコス・ガルシア (キナンサイクリングチーム) 5P

6位 入部正太朗 (シマノレーシングチーム) 4P

◆チーム総合時間 第3ステージ終了時

1位 キナンサイクリングチーム 23h58m13s

2位 Team UKYO +1m51s

3位 ブリヂストンアンカーサイクリングチーム +2m53s

4位 シマノレーシングチーム +8m17s

5位 マトリックスパワータグ +8m48s

6位 愛三工業レーシングチーム +12m26s
7位 宇都宮ブリッツェン +17m27s

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[例年通り過酷なレース続きとなった熊野の最終ステージに向けアップをする選手たち]
photo(C):Tstuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[最終ステージでの活躍が期待される大久保選手が細谷マッサーにスタートオイルを塗ってもらう]
photo(C):Tstuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[落車の影響で前日にレースを降りた小野寺選手が打った箇所をアイシングしながら仲間たちを見守る]
photo(C):Tstuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[雨予報が出るなか、最終ステージの幕が切って落とされた]
photo(C):Tstuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[レースをこなすごとにかつての姿を取り戻しつつある飯野選手がアタックに反応する]
photo(C):Tstuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[タイミング良く逃げに乗るセンスを見せた阿部選手と大久保選手が逃げ続ける展開に]
photo(C):Tstuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[KOM手前の上りをメイン集団内でクリアしていく堀選手]
photo(C):Tstuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[協調体制をとって逃げ続ける6名の逃げ集団のなかに2名を送った宇都宮ブリッツェン有利の展開]
photo(C):Tstuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[前日の落車でチャンスを失ってしまった雨澤選手がチームのため、そして自身の未来のための走り続ける]
photo(C):Tstuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[アップダウンを繰り返す区間を走るチームカーに激しい雨と風が吹き付ける]
photo(C):Tstuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[視界がまったくと言っていいほどない状態の雨の中、懸命に逃げ続ける6名の逃げ集団]
photo(C):Tstuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[今レース全ステージを通して、集団内で存在感を放った堀選手がフィニッシュを目指す]
photo(C):Tstuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
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[雨と集団内の個人総合時間争いも味方した大久保選手が逃げ切りで自身UCIレース初優勝を飾った! ]

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