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2016/03/09

ツール・ド・台湾 第4ステージ

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[上:各チームの動きにしっかり対応しつつ集団内でポジションを確保する鈴木譲選手]
[下:絶妙なタイミングで抜け出したCLARKEが今大会2勝目を飾った]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY

3月6日(日)〜10日(木)の5日間に渡り、UCI-2.1のステージレース「ツール・ド・台湾」が開催されています。

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このレースに、宇都宮ブリッツェンから以下の5名がエントリー。

増田成幸
鈴木譲
阿部嵩之
大久保陣
堀孝明


UCIアジアツアーのステージレース「ツール・ド・台湾」(UCI-2.1)の第4ステージが南投縣政府を出発して日月潭向山遊客中心にゴールする今大会最長の166.56kmのロードレースで争われ、今大会第1ステージをゴールスプリントで制したDrapac Professional CyclingのCLARKE Williamが山岳系ステージでも強さを発揮。残り数百メートルで集団から飛び出して優勝。今大会2勝目を飾りました。

宇都宮ブリッツェンは、日月潭へ向かう上りで分断された前方集団にエース増田選手と鈴木譲選手の2名が入り、その後も上りで増田選手が勝負を仕掛けたり、鈴木譲選手が集団から抜け出したりと見せ場を作りますが、集団に決定的なダメージを与えるには至らず。それでも、集団内できっちりフィニッシュし、明日の最終ステージでの個人総合時間でのジャンプアップが狙える位置でレースを終えています。

今年のツール・ド・台湾も早いものでもう後半戦。今日の第4ステージと明日の第5ステージはともに山岳コースということもあり、個人総合時間を狙うチームや選手同士の争いがここから激化していくことが予想されます。

第4ステージのコースは南投縣政府を出発して3級山岳の復旦池石碑を越えると、その後は大きく南投縣内を下ってスタート地点付近まで戻り、そこから2級山岳の玄光寺を含む日月潭の周囲を一周して日月潭向山遊客中心へとゴールする過酷なレイアウト。距離も今大会最長となる166.56kmということもあり、このステージで上位に残った者だけが個人総合時間争いに名乗りをあげる資格を持つことになると言えます。

宇都宮ブリッツェンは、ステージを重ねるごとに個人総合時間の順位を上げているエース増田選手とセカンドエース鈴木譲選手のさらなる順位アップを目指し、個人総合時間で上位につける選手や今後その座を争うことになるであろう選手を含まない少人数の逃げを作って増田選手と鈴木譲選手を温存。後半の日月潭への上りとその後のアップダウンで増田選手と鈴木譲選手が攻撃を仕掛けてステージ表彰台と個人総合時間の順位アップを狙うというプランでレースに臨みました。

南投縣政府をパレードスタートしたレースは、リアルスタートが切られると早速アタックの応酬が繰り広げられる展開となりますが、決定的な逃げは決まらず、ひとつの集団のまま進んでいく展開が続きます。

15.6km地点に設定された1度目のスプリントポイントを迎える段階になると、第3ステージ終了時点で個人総合ポイント4位につけるWETTERHALL選手(Tre Berg-bianchi)が集団から飛び出し先頭でスプリントポイントを通過。ポイントの上積みを終えるとすぐに集団に戻り、集団は再びひとつとなって3級山岳の上りへと向かっていきます。

明日の最終ステージに1級山岳の頂上フィニッシュが待ち構えているため、ここでポイントを獲得してもあっさり逆転されると考えたチームや選手がほとんどだったからか、上りに入っても集団から飛び出す者が現れないままレースは進み、集団はひとつのままで1度目の山岳ポイントを通過していきます。

このまま後半戦まで大きな動きがないまま上りに突入していくかということも微かに頭をよぎり始めた45km付近で、ようやく3名の逃げ集団が形成され、メイン集団から45秒先行する展開となります。

VAN BEUSICHEM(Parkhotel)

HRINKOW(Hrinkow)

MANCEBO(Skydive Dubai)

↓ 45秒

メイン集団

この逃げ集団には、第3ステージ終了時点の個人総合時間でトップと56秒差の12位につけているMANCEBO選手(Skydive Dubai)が入ったため、メイン集団も若干警戒感を持ち、プロコンチネンタルチームのユナイテッドヘルスケア勢が中心となって適度なタイム差を保ちながら集団をコントロールする展開となります。

その後、レースは3名の逃げ集団とメイン集団という形で30秒~50秒程度のタイム差を保ったまま距離を重ねていきますが、レースも折り返しの85kmを過ぎる頃になると、逃げ集団からMANCEBO選手(Skydive Dubai)がメイン集団に下がってきて先頭は2名となります。

個人総合時間争いに絡むMANCEBO選手(Skydive Dubai)が集団に戻ったことで、メイン集団は一旦ペースダウンそのまま2回目のスプリントポイントを通過して、いよいよ今日のステージ最大の山場である日月潭につながる上りを迎えることとなります。

すると112km付近でVAN BEUSICHEM選手(Parkhotel)が逃げ集団からドロップ。先頭はHRINKOW選手(Hrinkow)が単独で逃げる展開となります。

単独になっても逃げ続けるHRINKOW選手(Hrinkow)に対し、メイン集団も吸収のタイミングを計算足ながら、少しずつタイム差を縮めていく時間帯が続きます。

すると、逃げを吸収するのも目前となった21号線から21号線甲へと向かう手前で2名の選手が集団からアタックを仕掛けて飛び出し、先行していたHRINKOW選手(Hrinkow)に合流します。

しかし、日月潭の上りを目前に活性化したメイン集団とは勢いに差があり、この3名の逃げは敢えなくメイン集団に吸収されてしまいます。

すると、このタイミングでCOLORADO HERNANDEZ選手(RTS-Santic)が単独アタック。集団から先行する形で日月潭の周回へと入っていきます。

30名ほどにまで人数を減らしたメイン集団も日月潭の周回へと入っていき、ここからは各チームのエース級ライダーたちによる熾烈な争いが繰り広げられる展開となります。

宇都宮ブリッツェンもその中に、増田選手(宇都宮ブリッツェン)と鈴木譲選手(宇都宮ブリッツェン)が入り、各チームのエースたちとしのぎを削ることとなります。

すると、日月潭周回のアップダウン区間でZANOTTI選手(Parkhotel)が飛び出し、その動きに鈴木譲選手(宇都宮ブリッツェン)が反応。2名で先行する展開に持ち込もうとします。

しかしここで、鈴木譲選手が痛恨のスローパンクを喫してスローダウン。この厳しい地点でのパンクで遅れをとってしまうかと思われた鈴木譲選手(宇都宮ブリッツェン)でしたが、何とか集団に復帰する強さを見せます。

単独で先行する形となったZANOTTI選手(Parkhotel)に対し、集団からはWILLIAMS選手(JLT Condor)とCOLORADO HERNANDEZ選手(RTS-Santic)が飛び出して追走に入る展開となります。

ZANOTTI(Parkhotel)

WILLIAMS(JLT Condor)

COLORADO HERNANDEZ(RTS-Santic)

メイン集団

しかし、追走に出た2名はその後集団に吸収され、レースは再び単独で逃げるZANOTTI選手(Parkhotel)と集団という展開となります。

単独で逃げ続けたZANOTTI選手(Parkhotel)でしたが30名前後のメイン集団の勢いには勝てず、残りわずか数百メートルというところで集団に吸収されてしまいます。

そして、そのまま集団ゴールスプリントになるかと思われた瞬間にCLARKE選手(Drapac)が絶妙のタイミングで飛び出して先頭でフィニッシュ。台北市での第1ステージに続き、うれしい今大会2勝目を挙げました。

宇都宮ブリッツェン勢は、30名前後のメイン集団に増田選手と鈴木譲選手が残り、先にも書いた通りアップダウン区間で鈴木譲選手が最後の最後まで逃げ続けたZANOTTI選手(Parkhotel)と2名で抜け出すことに成功するも、痛恨のパンク。また、増田選手も上りで積極的にペースアップして攻撃を仕掛けたますが、その動きに同調する選手が出ず集団を崩壊させるには至らず。最終的には2名とも集団でのゴールスプリントの末に増田選手が21位、鈴木譲選手が30位でフィニッシュ。

この結果、個人総合時間では増田選手が32位、鈴木譲選手が30位と第3ステージから順位を上げて、明日の最終ステージに臨むことになりました。

清水監督コメント

「今日のステージは昨日の第3ステージと同様、チームとして明日のステージにつなげられるように最後の上りとその後の周回のアップダウンで攻撃を仕掛けるというプランで挑みました。レースは予定通りにいき、増田選手と鈴木譲選手がいい位置から上り始めることができて、上りでは増田選手が攻撃を仕掛け続けたのですが、明日の最終ステージを警戒しているチームがとても多くて同調してもらえず攻撃は実りませんでした。その後のアップダウン区間では鈴木譲選手が攻撃を仕掛けて、タイミング良く残り1kmまで逃げ続けたZANOTTI選手と一緒に飛び出したタイミングでパンクしてしまう残念な展開となってしまいました。2人だったら逃げ切っていたかもしれませんし、逆に警戒されて早めに潰されていたかもしれませんが、見せ場と勝機を作ってくれたいい走りだったと思います。ここまでのステージで目に見える結果は出ていませんが、チームとしてはきっちり動けていますので、明日の最終ステージも最後の上りにエースをしっかりと送り込み、エースに力を発揮して結果を手にしてもらえるように最後まで気を抜かずに走りきりたいと思います」

Text:Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY



◆[リザルト

[2016 Tour de Taiwan(UCI-2.1) - 3rd Stage - 南投縣站/Nantou County - 166.56km - ]

1位 CLARKE William (Drapac Professional Cycling) 4h06m06s 40.7km/h

2位 AVILA Edwin (Team Illuminate) st

3位 ZANOTTI Marco (Parkhotel Valkenburg Continental Team) st

4位 GIACOPPO Anthony (Avanti IsoWhey Sports) st

5位 PRADES Benjamin (Team UKYO) st

6位 CANOLA Marco (UnitedHealthcare Pro Cycling Team) st

7位 RAY Alexander (Team Illuminate) st

8位 SCHULTING Peter (Parkhotel Valkenburg Continental Team) st

9位 KARLSSON Marcus (Team Tre Berg-Bianchi) st

10位 DOWNING Russell (JLT Condor) st

21位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) st

30位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) st

69位 大久保陣 (宇都宮ブリッツェン) +9m30s

85位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +12m09s

86位 堀孝明 (宇都宮ブリッツェン) +12m09s

出走=95人/完走=90人

個人総合時間 第4ステージ終了時

1位 O’CONNOR Ben (Avanti IsoWhey Sports) 11h22m22s 42.6km/h

2位 DE JONGHE Kevin (Cibel-Cebon) +02s

3位 DE LUNA Flavio (Team Illuminate) +02s

4位 DUNNE Connor (JLT Condor) +02s

5位 小石佑馬 (NIPPO-Vini Fantini) +02s

6位 SCHULTING Peter (Parkhotel Valkenburg Continental Team) purasu14s

7位 RAY Alexander (Team Illuminate) +35s

8位 CLARKE William (Drapac Professional Cycling) +36s

9位 GIACOPPO Anthony (Avanti IsoWhey Sports) +43s

10位 CANOLA Marco (UnitedHealthcare Pro Cycling Team) +44s

30位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +57s

32位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) +57s

76位 堀孝明 (宇都宮ブリッツェン) +22m53s

79位 大久保陣 (宇都宮ブリッツェン) +23m25s

87位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +34m37s

個人総合ポイント 第4ステージ終了時

1位 CANOLA Marco (UnitedHealthcare Pro Cycling Team) 39P

2位 CLARKE William (Drapac Professional Cycling) 30P

3位 WETTERHALL Alexander (Team Tre Berg-Bianchi) 29P

4位 ASTAFYEV Stepan (VINO 4-Ever SKO) 25P

5位 PRADES Benjamin (Team UKYO) 23P

6位 RAY Alexander (Team Illuminate) 22P

個人総合山岳 第4ステージ終了時

1位 SCHULTING Peter (Parkhotel Valkenburg Continental Team) 35P

2位 VA DER PLOEG Neil (Avanti IsoWhey Sports) 20P

3位 ZANOTTI Marco (Parkhotel Valkenburg Continental Team) 17P

4位 BI Wenhui (Giant-ChampionSystem) 17P

5位 ASTAFYEV Stepan (VINO 4-Ever SKO) 16P

6位 DUNNE Connor (JLT Condor) 14P

チーム総合時間 第4ステージ終了時

1位 Team Illuminate 34h08m44s

2位 Avanti IsoWhey Sports +10s

3位 Cibel-Cebon +18s

4位 JLT Condor +18s

5位 Parkhotel Valkenburg Continental Team +40s

6位 Team Tre Berg-Bianchi +58s

15位 宇都宮ブリッツェン +16m40s


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[第4ステージのスタート地点となる南投縣政府には、朝から多くの観客が訪れた]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[昨年に続き、今年も遠く台湾にまで声援を届けに来てくれたブリッツェンサポーター]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[スタート地点にチームカーと選手たちも到着。雨がパラつき始める]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[雨が降ったり止んだりの不安定な天候に合わせ、針谷メカが経験位裏付けられたチェーンオイルを選択する]
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[選手たちの無線も防水性を確保するためにラップに包んで手渡される]
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[初海外レースの堀選手の脚には、経験したことがない疲労が蓄積する]
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[個人総合時間チーム最上位の鈴木譲選手が細谷マッサーにスタートオイルを塗ってもらう]
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[今日もエースをいい形で上りに送り込むアシストが期待される大久保選手が出走サインを行う]
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[スタート地点では宇都宮市のPRに奔走する柿沼社長が大会主催者のインタビューを受ける]
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[出走サインを行った阿部選手が一旦チームカーに戻って最終準備を行う]
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[今ステージも個人総合時間の順位アップが期待される増田選手がスタートに向けて準備を進める]
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[各々が雨対策を施した選手たちが招集の合図を受け、スタートラインへと向かう]
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[降りしきる雨の中、集団のペースアップにしっかり加わる堀選手]
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[この後に選手たちが上ってくる山岳ポイント玄光寺からの眺め。この日も多くの観光客の姿が見られた]
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[少しずつ人数が削られ始めた増田選手と鈴木譲選手を含むメイン集団が日月潭の周回へと入っていく]
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[増田選手と鈴木譲選手を引き上げる役割を終えた大久保選手が少し遅れて日月潭の周回へと向かう]
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[左脚に痛みを抱える堀選手も持てる力を振り絞って日月潭を目指す]
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[アジアツアーのプロトンでも抜群のアシストを見せる阿部選手も少し遅れて日月潭へ向かう]
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[連続コーナーで抜きどころがないゴールスプリント危なげなく終えた増田選手は21位でフィニッシュ]
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[勝機を手繰り寄せる飛び出しを見せるもパンクに泣いた鈴木譲選手は、しっかり立て直して30位でゴール]
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[エースを支える仕事を黙々とこなし続ける阿部選手と堀選手がフィニッシュへと向かう]
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[ここまでチームとして積み上げてきた目には見えない成果を、明日の最終ステージで目に見える成果にすることはこの2人に託された]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY

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