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2015/09/14

ツール・ド・北海道 第3ステージ

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[上:NIPPOがコントロールするメイン集団前方をキープし、次の動きに備える選手たち]
[下:第1ステージを制したスタキオッティが、雨中の第3ステージを制した]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS

9月11日(金)〜13日(日)の3日間にわたり、UCI-2.2のステージレース「ツール・ド・北海道」が開催されました。

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このレースに、宇都宮ブリッツェンから以下の5名がエントリー。

鈴木真理
増田成幸
鈴木譲
阿部嵩之
大久保陣

UCI-2.2のステージレース「ツール・ド・北海道」の第3ステージが、鷹栖町・旭川市・幌加内町・秩父別町・妹背牛町・深川市・雨竜町・新十津川町・当別町・石狩市・札幌市にまたがる公道コースで開催され、最終盤に逃げが吸収された後の大集団ゴールスプリントを制したNIPPO-ヴィーニファンティーニのリカルド・スタキオッティが第1ステージに続いて優勝を飾りました。

この結果、スタキオッティは個人総合時間でも1位となり、名誉あるグリーン・ジャージを獲得。また、個人総合ポイントのブルー・ジャージは同じくNIPPO-ヴィーニファンティーニのダニエレ・コッリが、個人総合山岳のレッド・ジャージはキナンサイクリングチームのロイック・デリアックが獲得して、全3ステージの日程を終了しました。

宇都宮ブリッツェンは、個人総合時間での大逆転を目指してエースの増田選手自らが有力選手がそろう逃げに乗り、終盤には逃げ切りも濃厚かというところまで迫りましたが、残り10kmを切ったところで惜しくも吸収。大集団のゴールスプリント勝負に大久保選手が挑み6位でフィニッシュしています。

最終結果は、個人総合で鈴木譲選手の16位が最高位、チーム総合は6位で全日程を終了しています。

3日間のツール・ド・北海道も、遂に最終ステージを迎えました。ここまで2ステージを戦ってきての個人総合時間争いの状況は、上位4選手がタイム差9秒にひしめき合うほか、6位から26位までの20名の選手がトップと13秒差。ホットスポットやゴール順位で与えられるボーナスタイムを獲得すれば、一気に表彰台が見えるor順位をジャンプアップできる可能性があると言えます。

宇都宮ブリッツェンも、トップと13秒差で16位につける増田選手と24位の鈴木譲選手が、ホットスポットでのボーナスタイムの獲得や有力選手がそろう逃げを選んでの逃げ切りで、個人総合時間での大逆転を目指す攻撃的なレースを選択。その攻撃的な姿勢が実らずに集団ゴールスプリントになった際は、第1ステージと同様に大久保選手で勝負というプランで、大一番の最終ステージに臨みました。

鷹栖町役場をパレードスタートしたレースは、5kmのパレードを終えてアクチュアルスタートが切られると早速、ボーナスポイントや逃げ切りで個人総合時間争いで大逆転を狙う選手たちを中心に、激しいアタック合戦が繰り広げられる展開となります。

しかし、同様の思惑を持つ選手が多過ぎることもあり決定的な逃げがなかなか決まらず、集団は活性化してハイスピードな状態を保ったまま、この日1回目となる山岳ポイントへと向かっていきます。

すると、上りに入ったところで5名の選手が飛び出し、さらに1名の選手が追いついて6名の逃げ集団が形成されます。

増田(宇都宮ブリッツェン)

西薗(ブリヂストンアンカー)

雨澤(那須ブラーゼン)

プラデス(マトリックス)

徳田(CCTチャンピオンシステム)

山本(鹿屋体育大学)

メイン集団

程なくすると、逃げる6名にルバ選手(ブリヂストンアンカー)が合流しますが、逆に逃げからは雨澤選手(那須ブラーゼン)と山本選手(鹿屋体育大学)がドロップし、逃げは一旦5名に。

しかし、ドロップして集団に戻った雨澤選手(那須ブラーゼン)は、入部選手(シマノレーシング)とともに再び飛び出して逃げ集団に合流。逃げ集団は7名となります。

増田(宇都宮ブリッツェン)

ルバ、西薗(ブリヂストンアンカー)

プラデス(マトリックス)

徳田(CCTチャンピオンシステム)

雨澤(那須ブラーゼン)

入部(シマノレーシング)

↓ 1分25秒

メイン集団

逃げ集団を形成する7名は、全員がトップと13秒差の選手たち。個人総合時間の大逆転を目指す選手たちが集まったこの逃げはすぐに協調。メイン集団とのタイム差をみるみる開いていき、この日唯一のホットスポット差しかかる50km過ぎになるとその差は10分に迫ろうかというほどになります。

増田(宇都宮ブリッツェン)

ルバ、西薗(ブリヂストンアンカー)

プラデス(マトリックス)

徳田(CCTチャンピオンシステム)

雨澤(那須ブラーゼン)

入部(シマノレーシング)

↓ 9分20秒

メイン集団

一方のメイン集団は、リーダーチームのNIPPO-ヴィーニファンティーニ勢がコントロール。逃げる7名とのタイム差を終盤に吸収できる範囲にとどめるようにペースを配分していきます。

しかし、個人総合大逆転で気持ちをひとつにした逃げ集団は実力者の有力選手がそろっているため強力で、メイン集団とのタイム差を遂に10分の大台に乗せるようになります。

すると、この状況を好ましく思わないNIPPO-ヴィーニファンティーニ勢はメイン集団のペースを上げ始め、逃げる7名とのタイム差を縮めにかかります。

レースはこの後しばらくの間、リーダーチームであるNIPPO-ヴィーニファンティーニの牙城を崩そうと目論む有力選手7名の逃げ集団と、その牙城を守り抜こうとするNIPPO-ヴィーニファンティーニという形で進んでいきましたが、レースも折り返し地点となるアップダウン区間に入ると、逃げ集団から雨澤選手(那須ブラーゼン)と徳田選手(CCTチャンピオンシステム)が遅れはじめます。

人数を減らした逃げ集団に対して、追走の手を緩めないNIPPO-ヴィーニファンティーニがコントロールするメイン集団は少しずつタイム差を縮めていく展開となります。

しかし、5名の逃げ集団も全員が個人総合優勝を狙える実力者ばかりということもあり、詰められるタイム差を最小限の範囲にとどめながら逃げ続ける展開が続きます。

そして、レースも残り60kmを切る段階でもタイム差が6分30秒近くに保っていたことで、逃げ集団5人の逃げ切り勝利の可能性が少しずつ現実味を帯びてくる状況となります。

その後も、懸命に追走を続けるメイン集団と逃げ集団5名とのせめぎ合いは続きますが、タイム差を縮められる範囲を最小限にとどめ続ける逃げ集団5名に分がある状況は変わらず。

遂には、メイン集団をコントロールするNIPPO-ヴィーニファンティーニの選手が2名脱落したという情報が入り、当初よりも逃げ切り勝利の可能性が高まる展開となります。

しかしここで、逃げ集団に選手を送り込んでいないTeam UKYO勢も選手を出して集団コントロールに参加。レースは最後の山岳ポイントへと入っていきます。

それでも、最後の山岳ポイントをクリアした残り35kmの段階で、逃げる5名とメイン集団とのタイム差は5分30秒ほど開いた状態。常識的に考えても、逃げ集団5名の逃げ切りが限りなく濃厚と言える状況となります。

ところが、逃げ切りの可能性が限りなく濃厚となったことで、各選手が自身の勝利へのシナリオを意識するように。逃げ集団5名の協調体制にも微妙な変化が生じ始めます

すると、逃げ集団内で1チームだけ2名の選手を抱えるブリヂストンアンカーが攻撃を開始。ルバ選手(ブリヂストンアンカー)が単独で抜け出してリードを奪う展開となります。

ルバ選手(ブリヂストンアンカー)を追いかける4名の中では、チームメートが先行する西薗選手がローテーションに加わることがなくなり、増田選手(宇都宮ブリッツェン)、プラデス選手(マトリックスパワータグ)、入部選手(シマノレーシング)の3名がローテーションを繰り返すことに。

ローテーションする人数が減ったことで、逃げ集団は残念ながらペースダウン。結果的に、ほぼ捕まえるのは絶望的と思わせていたメイン集団に対して息を吹き返すチャンスを与えてしまうこととなります。

ペースダウンした逃げ集団と追走するメイン集団とのタイム差はみるみる縮まっていき、残り2kmを迎える段階で遂にメイン集団が逃げ集団を吸収。レースは大集団のゴールスプリントに持ち込まれることとなります。

ゴールスプリントへ向けた動きが活発化する中で、集団内では落車が発生。その落車の影響を受けなかった選手たちがゴールスプリント勝負に挑むことになります。

ゴールスプリントで抜群の動きを見せたのは、ここまでのステージでも勝利を奪ってきたNIPPO-ヴィーニファンティーニ勢。1位には第1ステージで優勝したスタキオッティ選手、2位には第2ステージを制したコッリ選手が入り、最終ステージをワンツーフィニッシュして有終の美を飾りました。

宇都宮ブリッツェンは、大久保選手が最終コーナーを5番手あたりでクリアし、スプリントを開始。しかし、最後のひと伸びがわずかに足りず6位でフィニッシュしてレースを終えています。

清水監督コメント

「今日のステージは最後のチャンスに賭けて、それが上手くハマったレースでした。結果的には勝てなかったので何を言ってもというところですが、それでも逃げ切れるメンバーですごくいいレースができたなと思っています。本当に最後の最後、先頭5人の中で勝利に対しての色気が出てしまったというか、動くのが一歩早かったなという印象です。ルバ選手が動いて西薗選手がローテしなくなったことでどうしてもペースが落ちてしまい、メイン集団のペースよりも落ちてしまって、結果的に残り3kmで捕まってしまったという。たら・ればの話にはなってしまいますが、最後まで協調しあってレースを進められていれば、リーダーチームを崩壊させて勝利を挙げるといういいレースができたのではと感じています。今日は本当に、増田選手の頑張りを讃えたいと思います。また、大久保選手も最後のゴールスプリントに向けて待機していてくれて、スプリントもしっかりやってくれたのですが、国際レースでは自身最高順位タイの6位と惜しい結果でした。彼にはもっとできると期待していますし、彼自身も第1ステージでの悪いイメージを払拭してくれたと思います。しっかりスプリントできる場面まで残れれば着に絡む走りができる選手だということを自覚して、今後のレースも頑張ってもらいたいと思います。今年のツール・ド・北海道も、例年の北海道と同様に少人数に絞られた中でのスプリント合戦というレースになりました。ここ数年、変わらないコースレイアウトと出場チームという中で、例年通りの流れを崩すためのメンバーでレースに臨んで、最終的に惜しいところまで持っていくことができました。なので、あと一歩届かなかったというのがすごく悔しいです。コンディションのいいメンバーをセレクトして臨んだレースで結果が出せなかったのは本当に悔しいですが、レースの動かし方や走り方という部分ではいろいろな走り方ができたので収穫も多かったと感じています。阿部選手が骨折リタイアしてしまい、シーズン後半戦で欠くことになってしまうのは非常に残念ですが、全体としてはこの後の後半戦に向けて自信が持てるというか、いいレースの経験値が積めたかなと思っています。北海道にも本州から応援に来てくださる方、また、地元の方でも応援してくださる方が年々増えてきているので、来年は阿部にもしっかり戻ってきてもらって、故郷に錦を飾ってもらうように、みんなで頑張っていきたいと思います。ありがとうございました!」

Text:Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY

◆[リザルト

[Tour de Hokkaido UCI-2.2 - 3rd stage - 200km Road Race - ]

1位 リカルド・スタキオッティ (NIPPO-ヴィーニファンティーニ) 4h40m39s 41.8km/h

2位 ダニエレ・コッリ (NIPPO-ヴィーニファンティーニ) st

3位 黒枝咲哉 (鹿屋体育大学) st

4位 セッペ・ヴェルスヒュレ (CCT p/b チャンピオンシステム) st

5位 ホセビセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) st

6位 大久保陣 (宇都宮ブリッツェン) st

7位 窪木一茂 (Team UKYO) st

8位 サルヴァドール・グアルディオラ (Team UKYO) st

9位 野中竜馬 (キナンサイクリングチーム) st

10位 スコット・サンダーランド (チームバジェットフォークリフト) st

23位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) st

38位 鈴木真理 (宇都宮ブリッツェン) st

55位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) +1m12s

出走=78名/完走=76名

個人総合 第3ステージ終了時

1位 リカルド・スタキオッティ (NIPPO-ヴィーニファンティーニ) 13h24m04s

2位 ダニエレ・コッリ (NIPPO-ヴィーニファンティーニ) +7s

3位 サルヴァドール・グアルディオラ (Team UKYO) +17s

4位 ホセビセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) +19s

5位 西園良太 (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +20s

6位 ベンジャミン・プラデス (マトリックスパワータグ) +21s

7位 内間康平 (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +22s

8位 入部正太朗 (シマノレーシングチーム) +22s

9位 窪木一茂 (Team UKYO) +23s

10位 伊藤雅和 (愛三工業レーシングチーム) +23s

16位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +23s

22位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) +1m35s

29位 鈴木真理 (宇都宮ブリッツェン) +7m25s

45位 大久保陣 (宇都宮ブリッツェン) +14m51s

個人総合ポイント 第3ステージ終了時

1位 ダニエレ・コッリ (NIPPO-ヴィーニファンティーニ) 55P

2位 リカルド・スタキオッティ (NIPPO-ヴィーニファンティーニ) 53P

3位 ホセビセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) 36P

4位 サルヴァドール・グアルディオラ (Team UKYO) 32P

5位 セッペ・ヴェルスヒュレ (CCT p/b チャンピオンシステム) 30P

6位 スコット・サンダーランド (チームバジェットフォークリフト) 26P

個人総合山岳 第3ステージ終了時

1位 ロイック・デリアック (キナンサイクリングチーム) 18P

2位 トマ・ルバ (ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 15P

3位 ジャコモ・ベルラート (NIPPO-ヴィーニファンティーニ) 12P

4位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) +9P

5位 佐野淳哉 (那須ブラーゼン) 8P

6位 木村圭佑 (シマノレーシングチーム) 8P

チーム総合時間 第3ステージ終了時

1位 NIPPO-ヴィーニファンティーニ 40h13m20s

2位 ブリヂストンアンカーサイクリングチーム +1s

3位 キナンサイクリングチーム +1s

4位 マトリックスパワータグ +1s

5位 Team UKYO +1s

 

6位 宇都宮ブリッツェン +3m25s


01

[第3ステージの鷹栖町役場に到着したチームカーに、激しい雨が降り注ぐ]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
02
[期間中、選手たちのバイクを丹念に整備してきた田村メカが、滞りなくスタートの準備を進める]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
03
[低温のレースを想定したオイルを細谷マッサーに塗ってもらう大久保選手]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
04
[個人総合時間大逆転を目指す宇都宮ブリッツェンの戦いが始まる]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
05
[有力選手ぞろいの逃げに乗り、勝ち逃げを作ろうと奮闘する増田選手]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
06
[激しい雨の中、スプリントになった時に備え集団内で脚を温存する大久保選手]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
08
[選手とチームカーが作る隊列が、ゴールの地・札幌を目指す]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
09
[きっちり集団内でゴールした鈴木譲選手は、個人総合で16位]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
11
[2012年に勝ち獲って以来遠ざかっている表彰台を、来年こそは獲得したい]
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS

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