« ツール・ド・台湾 第4ステージ | トップページ | 第40回チャレンジサイクルロードレース »

2015/03/27

ツール・ド・台湾 第5ステージ

Htc9500
Htc6940
[上:ハイスピードの集団内でチャンスの糸口を探すブリッツェンの選手たち]
[下:WIPPERTを抑えて嬉しいステージ優勝を飾ったTHOMEL]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY

3月22日(日)〜26日(木)の5日間に渡って、UCI-2.1のステージレース「ツール・ド・台湾」が開催されました。

◆大会WEBサイトは[こちら
◆Live!!!ブログレポートは[こちら

このレースに、宇都宮ブリッツェンから以下の5名がエントリー。

鈴木真理
増田成幸
鈴木譲
阿部嵩之
青柳憲輝
※出場チーム=23チーム

UCIアジアツアーのステージレース「ツール・ド・台湾」(UCI-2.1)の第5ステージが江南渡假村~大鵬灣國家風景區に渡る177.62kmで争われ、最終的に大集団でのゴールスプリントに持ち込まれた勝負でRTS-SANTIC RACING TEAMのTAMOURDIS Ioannisが、今レースで既に2度のゴールスプリントをものにしているDRAPAC PROFESSIONAL CYCLINGのWIPPERT Wouterを抑えて優勝を飾りました。

またこの結果、名誉ある個人総合時間賞と個人総合山岳賞、アジア最優秀賞をTABRIZ PETROCHEMICALのPOURSEYEDIGOLAKHOURが獲得。個人総合ポイント賞をAVANTI RACING TEAMのBEVIN Patrickが獲得して、全5日間の日程を終了しています。

宇都宮ブリッツェンは、初挑戦となるツール・ド・台湾で何かひとつ目に見える結果を残すべくこの最終ステージに挑みましたが、リーダーチームを中心に強豪チーム勢が強烈なコントロールを見せる集団内で「らしさ」を見せる走りには至らず、最後のゴールスプリントで鈴木譲選手が16位入る走りを見せてこのステージを終えました。

宇都宮ブリッツェンの最終成績は、鈴木譲選手が個人総合59位、増田選手が60位。総合上位を狙う選手をサポートし続けた阿部選手が86位、鈴木真理選手と青柳選手がDNFという結果で、全日程を終了しました。

5日間に渡って開催されたツール・ド・台湾も、ついに最終の第5ステージ。ここまで、第3ステージで青柳選手が残り5kmまでの大逃げをして見せ場は作ったものの、目に見える結果という部分ではインパクトを残すことができていない宇都宮ブリッツェン。ですが、最後まで結果を求める走りをして、このレースに出場するために奔走してくださった多くの方々の想いに応えたいという気持ちで、選手たちは最終ステージに臨みました。

最終ステージとなる第5ステージは、江南渡假村をスタートし、20km地点の2級山岳とその後のアップダウン区間を越えてからは、フィニッシュ地点の大鵬灣國家風景區まで緩やかに下っていくコース。ほぼフラットと言っていいレイアウトは、大集団でのゴールスプリント勝負なることを予感させます。

宇都宮ブリッツェンは、大鵬灣國家風景區の周回コースに入ってからジャパンナショナルやVINO 4-EVERなど協調できそうなチームと連れ立って、リーダーチームがコントロール集団に対して総攻撃をかけて逃げ切り優勝を狙うプランを選択。前半の逃げには、逃げのメンバーを見て誰か1人は乗ることを意識してスタートラインにならびました。

江南渡假村をパレードスタートしたメイン集団はリアルスタートが切られると、逃げたいチームが多かったことが影響してか、いきなりのハイペースで幕を開けます。

しかし、多くのチームが同様の動きを選択したことで決定的な逃げができるには至らず、集団はひとつでハイペースのままレースは進んでいきます。

20km地点にある2級山岳ポイントに向かう上りに差しかかっても、集団は依然ひとつのままで山岳ポイントを上っていきます。

すると、その山岳ポイントを過ぎようかというところで、3名の選手が抜け出して逃げ集団が形成されます。

ZARGARI(ピシュマガンジャイアント)

HALMURATOV(ウズベキスタン)

FENG(チャイニーズタイペイ)

↓ 30秒

メイン集団

30kmを過ぎる頃になると、先頭の3名からFENG(CHINESE TAIPEI TEAM)が遅れはじめ、先頭は2名に。それでも30秒程度のタイム差を保ったまま逃げ続けます。

しかしこの逃げも、40kmに差しかかろうかというところで集団に吸収され、レースは振り出しに戻ります。

レースが振り出しに戻った集団内ではその後も、逃げを作りたいチームたちが積極的にアタックを仕掛ける展開が続きます。

50km手前では阿部選手(宇都宮ブリッツェン)がアタックを仕掛け、その動きに反応した5名の選手と集団から抜け出しますが、リーダーチームがコントロールする集団に敢えなく吸収されます。

その後も、何度もアタックはかかるもののリーダーチームがコントロールするメイン集団の牙城を崩す決定的な逃げが決まるには至らず、残り距離数だけが少なくなっていく時間帯が続きます。

ようやくレースが動いたのは、80km前の地点。

6名の選手が抜け出すと、メイン集団から30秒程度のタイムを奪って逃げ集団を形成します。

POLITT(シュトーミング)

SURUTKOVYCH(シナジーバク)

VAN DER PLOEG(アヴァンティ)

BELL(スマートストップ)

ZARGARI(ピシュガマンジャイアント)

SHAEKHOV(ウズベキスタン)

↓ 約50秒

メイン集団

リーダーチームのTABRIZ、集団スプリントに持ち込みたいDRAPACやPARKHOTEL勢が前方を陣取るメイン集団は、個人総合時間上位の選手がいないこの逃げを容認。タイム差を1分30秒~2分程度に保ってコントロールを始めたことで、ようやくレースが落ち着きをみせます。

その頃、昨晩から嘔吐と繰り返していた鈴木真理キャプテンが体調不良によりDNF。残るレースを、宇都宮ブリッツェンは3名で戦うこととなります。

その後、レースは逃げ集団6名とメイン集団のまま進んでいき、ついに大鵬灣國家風景區の周回コースへ。

1周約10kmのコースを3周半する周回コースに入っても、逃げ集団6名とメイン集団という展開が続きますが、残り2周回を過ぎた頃から、スプリントに持ち込みたいチーム勢が中心となって、いよいよメイン集団のペースを上げ始めて逃げる6名を吸収する準備を始めます。

残り1周回に入る手前では、協調体制を築いていた逃げ集団6名もついに崩壊。BELL(スマートストップ)が単独で先行する形で最終周回へと入っていきます。

決死の独走を見せたBELL(スマートストップ)でしたが、残念ながら残り5kmで集団に吸収され、集団は再びひとつに。ゴールスプリントに向けて各チームが徐々に隊列を整えていく展開となります。

すると、最後の上りとなる橋区間で、1人の選手がスプリンターチームの目論見を崩すべく勝負のアタック。追走に2名の選手が抜け出して少ない勝利の確率に賭ける走りを見せますが、その賭けは実らず勝負はゴールスプリントへと持ち込まれます。

集団でのゴールスプリントに絶対的な自信を持ち、このレースでも第1、第3とWIPPERTが優勝しているDRAPAC勢が圧倒的有利と思われたゴールスプリントでしたが、アウト側からスプリントを開始しようとするWIPPERT(DRAPAC)にイン側から先行し、うまく被せてスプリントを開始したTAMOURDIS(RTS-サンティック)がWIPPERT(DRAPAC)を抑えてステージ優勝を飾りました。

宇都宮ブリッツェンは、逃げ集団とメイン集団が駆け引きをしている間隙を縫っての攻撃や周回コースに入ってからの攻撃で数少ない勝機を見出そうとしましたが、リーダーチームとスプリンターチームのコントロールを崩壊させることはできず。最後のゴールスプリントで鈴木譲選手が16位という結果で、ツール・ド・台湾の全日程を終了しました。

清水監督コメント

「今日のレースはリーダーチームのコントロールが入ることも分かりきっていて、なおかつ平坦基調のレースということで、今回は総合を重視してスプリンターをメンバーとして連れてこなかった宇都宮ブリッツェンが勝ちを狙うには、若干苦しいレースとなりました。レースは予想通りの展開となって、リーダーチームやスプリントにしたいチームが絶妙な集団コントロールを見せるレースとなりました。アジアツアーでもヨーロッパツアーでも上位に入るようなチームのコントロールは本当に絶妙で、素晴らしいものがあったなと感じています。宇都宮ブリッツェンとしても最後のワンチャンスに懸けていましたが、そういった有力チームに対して攻撃を仕掛けて崩すというのは、正直難しかったかなと感じています。今日のステージでツール・ド・台湾の全日程が終了しましたが、このレースはアジアはもとより、欧州や欧米からもチームが出場する非常にレベルの高いレースで知られていて、今年もその通りハイレベルなレースだったなと感じています。今回は落車やパンクなど不可抗力が重なって失敗してしまい、本来の力を発揮できなかったという感じだったので悔しさは残りますが、それも含めてアジアツアーなんだな、と。全体を通して見て各選手、チームの実力が劣っていると感じることはありませんでしたが、結果には結びつきませんでした。というのも、各選手とも経験値が高い選手ですし、実力が発揮できれば、要所要所では上位に入ることも可能な選手たちだと思っています。しかし、常日頃からアジアツアーに参戦して、今回のようなメンバーとやり合っていないと、どうしてもリズムや展開の動きなども読みきれない部分があって、その部分は私も含めて選手全員が感じたことことだと思います。常にこういったレベルで戦って常に経験を積んでいないと、この舞台で勝負するのはなかなか厳しいのかな、と感じました。要所要所ではしっかり走れて仕事もできているので、決して悪い感触はないのですが、結果に結びつけるプロセスの部分は経験値であったりアジアツアーへの慣れという部分が必要になってくるなと思っています。なので、続けてこういったレベルのレースに出場することができれば、きっと結果は自ずとついてくるだろうという感覚は得ることができたレースだったと思っています。次にチームが出場するUCIレースは5月のツアー・オブ・ジャパン(TOJ)になります。TOJにはイラン勢やドラパックなども出場します。今回のレースで彼らと顔を合わせて走りのスタイルも分かった部分もあるので、彼らを崩すための一手というものをこれからTOJまでの期間で選手とともに考えていきたいと思います」

Text:Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY


◆第5ステージ[リザルト

[2015 Tour De Taiwan 5th Stage Terrific Taiwan/第5站 臺湾觀光盃 - 177.62km -]

1位 THOMEL Tino (RTS-SANTIC RACING TEAM) 4h00m47s 44.2km/h

2位 WIPPERT Wouter (DRAPAC PROFESSIONAL CYCLING) st

3位 TAMOURIDIS Ioannis (SYNERGY BAKU CYCLING PROJECT) st

4位 WU Po Hung (CHINESE TAIPEI TEAM) st

5位 ILESIC Aldo Ino (TEAM VORARLBERG) st

6位 BEVIN Patrick (AVANTI RACING TEAM) st

7位 JANG Sunjae (RTS-SANTIC RACING TEAM) st

8位 PARK Keonwoo (KOREA NATIONAL TEAM) st

9位 GIDICH Yevgeniy (VINO 4-EVER) st

10位 ZANOTTI Marco (PARKHOTEL VALKENBURG CONTINENTAL TEAM) st

16位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) st

68位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) st

77位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +12s

DNF 鈴木真理 (宇都宮ブリッツェン)

出走=92名/完走=87名

◆個人総合時間第5ステージ終了時

1位 POURSEYEDIGOLAKHOUR Mirsamad (TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM) 14h10m34s 41.1km/h

2位 ASKARI Hossein (PISHGAMAN GIANT TEAM) +30s

3位 EMAMI Rahim (PISHGAMAN GIANT TEAM) +46s

4位 BEVIN Patrick (AVANTI RACING TEAM) +1m50s

5位 DE LA PARTE Victor (TEAM VORARLBERG) +2m34s

6位 土井雪広 (TEAM UKYO) +2m36s

7位 OCKELOEN Jasper (PARKHOTEL VALKENBURG CONTINENTAL TEAM) +2m36s

8位 MEYER Travis (DRAPAC PROFESSIONAL CYCLING) +2m36s

9位 CHOE Hyeongmin (KOREA NATIONAL TEAM) +2m48s

10位 BRITTON Robert (TEAM SMARTSTOP) +2m51s

59位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +26m31s

60位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) +28m18s

86位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +51m54s

◆個人総合ポイント第5ステージ終了時

1位 BEVIN Patrick (AVANTI RACING TEAM) 52P

2位 WIPPERT Wouter (DRAPAC PROFESSIONAL CYCLING) 44P

3位 TAMOURIDIS Ioannis (SYNERGY BAKU CYCLING PROJECT) 42P

◆個人総合山岳第5ステージ終了時

1位 POURSEYEDIGOLAKHOUR Mirsamad (TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM)

2位 BEVIN Patrick (AVANTI RACING TEAM)

3位 EMAMI Rahim (PISHGAMAN GIANT TEAM)

◆団体総合時間第5ステージ終了時

1位 PISHGAMAN GIANT TEAM 42h36m13s

2位 TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM +4m01s

3位 VINO 4-EVER +9m31s

20位 宇都宮ブリッツェン +1h29m46s

Htc6746

[スタート前にジャパンの選手たちと今日のコースに関して意見を交わす選手たち]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc9449
[昨晩は嘔吐に苦しまされた鈴木真理選手が気丈にスタートの準備を進める]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc6752
[清水監督によってバイクのステムに貼られた今日のコースプロフィール]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc6764
[個人総合チーム最高位の鈴木譲選手がゆっくりとスタートに向けて準備を整える]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc9452
[国内とは勝手が違う海外レースでも、確かな仕事で選手を支える針谷メカ]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc9458
[ジャパンの浅田監督とレースの展開に関して意見交換をする清水監督]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc6769
[最終ステージ特有のムードの中、一瞬流れる穏やかな時間がチームを包む]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc6773
[自分たちができることとすべきことの確認は、スタート直前まで続いた]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc6776
[満身創痍の増田選手が、気持ちを奮い立たせてスタートの準備を進める]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc9466
[スタート地点でジャパンの中根選手と言葉を交わす阿部選手]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc6785_2
[その阿部選手の背中には、レース中の重要なエネルギーとなるグリコのワンセコンドがぎっしり]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc9482
[個人総合時間6位と好調のTEAM UKYO土井選手とパレードスタートする鈴木真理選手]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc9493
[リーダーチームがコントロールするメイン集団が仏陀記念館へと入る]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc9502
[ここまで何とか走り続けた鈴木真理選手だったが、この後、体調不良によりバイクを降りた]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc9516
[ハイペースの集団内できっちりポジションを確保する鈴木譲選手]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc9534
[周回コースへ向かうプロトン内で、次の動きを意識しながらの走りを続ける増田選手]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc6873
[周回コースに入ると、メイン集団は逃げを飲みこもうとペースを上げ始める]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc9535_2
[遠く台南の地にまで駆け付け、選手に熱い声援を送ってくれたブリッツェンサポーター]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc6905
[ペースを上げ続けるメイン集団が、ついに逃げ集団後方に迫る]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc9536
[5ステージの過酷なレースを走り終えた選手たちが細谷マッサーから水分をもらう]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc6953
[納得の出来とは決して言えなかったレースを、真摯な気持ちで振り返る選手たち]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc9539
[ゴールスプリントで16位に入った鈴木譲選手が最後のスプリントを振り返る]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
Htc9538
[過酷なレースで得た収穫をどう次につなげるか。清水監督は常に先を見据える]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY

|

« ツール・ド・台湾 第4ステージ | トップページ | 第40回チャレンジサイクルロードレース »