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2015/03/25

ツール・ド・台湾 第4ステージ

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[上:落車によるケガが影響し、本来の走りが見せられなかった増田選手]
[下:圧倒的な強さ見せたポルセイェディゴラコールは、個人総合時間も逆転]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY

3月22日(日)〜26日(木)の5日間に渡り、UCI-2.1のステージレース「ツール・ド・台湾」が開催されています。

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このレースに、宇都宮ブリッツェンから以下の5名がエントリー。

鈴木真理
増田成幸
鈴木譲
阿部嵩之
青柳憲輝
※出場チーム=23チーム


UCIアジアツアーのステージレース「ツール・ド・台湾」(UCI-2.1)の第4ステージが、日月潭から阿里山國家風景區の2600m地点まで一気に駆け上がる山岳ステージで開催され、アジアツアーで抜群の強さを発揮するイランのプルセイェディコラコール(TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM)が、同じくイランのラヒム(PISHMAGAN GIANT TEAM)との激戦を制してステージ優勝を飾りました。この結果、ポルセイェディゴラコール(TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM)は、個人総合時間賞でも首位に躍り出ています。

宇都宮ブリッツェンは、個人総合時間でチーム最上位につける鈴木譲選手を他選手がサポートして、個人総合時間での順位アップを狙うプランを選択。同時に、第2ステージの落車の影響が気になるものの、コースと相性が良い増田選手が身体と相談しながらステージ上位を狙いましたが、鈴木譲選手は集団のペースが上がり始めた段階でパンクに見舞われ集団に復帰できず71位。増田選手も普段とはかけ離れた体調に苦しむ走りとなってしまい57位でレースを終えています。

今年のツール・ド・台湾において、個人総合時間争いの最重要ステージとなる第4ステージ。台湾でダム湖を除いて一番大きい湖である日月譚(にちげつたん)を周回し、そこから60kmにも及ぶ長い上りを一気に駆け上がるコースで、本当に強い者しか残ることができない過酷なコースレイアウトと言えます。

当然、各チームとも上りに強いエースライダーが個人総合時間争いをこのステージで決めるべく、身を削りながらの果敢なチャレンジを繰り返し続けることが予想されます。

宇都宮ブリッツェンは、ここまでのステージを経て個人総合時間でチーム最上位につける鈴木譲選手のジャンプアップを期し、他選手がしっかりサポートしながら鈴木譲選手を上り区間に導き、有力選手の動きが本格化して以降は鈴木譲選手自身が自らの限界と相談しながらフィニッシュを目指すプランを選択。また同時に、第2ステージの落車の影響が心配されるものの、このコースと相性が良い増田選手がステージでの上位に向けて、体調と相談しながら勝負することに挑戦するステージにもなりました。

日月潭向山遊客中心をパレードスタートし、5kmほどのウォームアップランが終わりリアルスタートが切られると集団ではアタック合戦が繰り広げられ、フェン選手(チャイニーズタイペイ)が単独で抜け出す展開となります。

宇都宮ブリッツェンはこの動きに阿部選手が対応。ジュリアン選手(TEAM SMARTSTOP)、中島選手(ジャパンナショナル)とともに集団から抜け出し、単独で逃げるフェン選手(チャイニーズタイペイ)を追走します。

それとほぼ時を同じくして、前日の第3ステージで力強い大逃げを見せた青柳選手が体調不良によりリタイヤ。宇都宮ブリッツェンは残る4人で、この最難関ステージに挑むことになります。

フェン選手(チャイニーズタイペイ)を追走していた阿部選手(宇都宮ブリッツェン)を含む追走3名は、15kmに差しかかろうかというところで敢えなく集団に吸収されます。

20kmを過ぎると、単独で先行するフェン選手(チャイニーズタイペイ)に、集団からブリッジをかけた3名の選手が合流。先頭は4名となります。

Victor、Christoph(TEAM VORARLBERG)

Ioannis(SYNERGY BAKU CYCLING PROJECT)

フェン(チャイニーズタイペイ)

↓ 約55秒

メイン集団

この4名の逃げを、メイン集団は容認。すると、タイム差は2分程度にまで広がる展開に。

その後も逃げ4名と集団という形のままでレースは進み、いよいよ60kmの上りへと入っていきます。

上り区間に入ると、コースは10m先も見えないような厚い霧に覆われ、これから先の厳しい戦いを予感させる不穏な空気が流れます。

すると、その予感は残念ながら的中。

ステージでの上位を目指す増田選手がパンクに見舞われてしまいます。

しかし、鈴木真理キャプテンがすかさず自身のタイヤを差し出したことで、増田選手はすぐに集団に復帰。

タイヤを差し出した鈴木真理キャプテンも、チームスタッフの素早い対応で無事に集団に復帰し、不穏な空気は過ぎ去ったかと思えました。

しかし、宇都宮ブリッツェンを襲うトラブルは、これでは終わりません。

本当の勝負どころと言える上り区間に入り、集団のペースが上がってきたところで、今度は個人総合時間でのジャンプアップを狙う鈴木譲選手がパンクに見舞われてしまいます。

鈴木譲選手は、阿部選手からタイヤを差し出してもらってすぐにレースに復帰しますが、今度は集団のペースアップによって遅れだした選手が妨げになってなかなかポジションを上げることができず、先頭集団に復帰できずにこの後に続く長い上りを上っていくことになります。

一方、選手それぞれの力勝負の様相を呈してきたメイン集団では、圧倒的な力を誇るイラン勢が中心となって集団のペース上げ、逃げる選手に迫る展開に。

宇都宮ブリッツェンはその中に増田選手が残り、何とか力勝負に絡む走りをしようと奮闘します。

しかし、増田選手(宇都宮ブリッツェン)が第2ステージの落車ので負ったダメージは、決して小さいものではありませんでした。

残り20kmを過ぎる頃になると、粘り続けていた増田選手(宇都宮ブリッツェン)もついにメイン集団から少しずつ遅れていき、後は自分自身との戦いでゴールを目指すことになります。

その頃、先頭では戦前の予想どおり、イラン勢がその実力をまざまざと見せつける展開に。

厚い霧に包まれるフィニッシュ地点に先頭で現れたのは、昨年のツアー・オブ・ジャパン富士山ステージでも驚異の登坂力を見せたポルセイェディゴラコール選手(TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM)。さらにラヒム選手(PISHMAGAN GIANT TEAM)、ガデル選手(TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM)と続き、上位をイラン勢が独占する結果となりました。

宇都宮ブリッツェンは、メイン集団から遅れてしまった後も粘りの走りを続けた増田選手が57位、鈴木譲選手が71位でフィニッシュ。2選手を献身的にサポートした鈴木真理選手と阿部選手の2名も無事にフィニッシュし、明日の最終ステージを迎えることとなりました。

清水監督コメント

「今日のステージも残念な結果に終わってしまったなという感じです。今日もまた、増田選手と鈴木譲選手がパンクに見舞われてしまい、増田選手は鈴木真理選手のサポートを受けてすぐに集団に復帰できたのですが、鈴木譲選手はレースに復帰するタイミングで集団のペースが上がってチームカーの隊列も集団から離れてしまった中で、集団から遅れた選手が前方から降ってくるという状況が重なり、集団復帰できない状況となってしまいました。今日のステージは、鈴木譲選手の個人総合時間での順位アップが大きな目標でもありましたので、上りに入ってペースが上がった段階という一番悪いタイミングのパンクという結果を非常に残念に思っています。増田選手も第2ステージの落車によるケガの影響で、(一番力を発揮できるはずの)今日のステージは厳しいだろうという思いではいました。ただ、前半の走りを見る限りは、ケガが回復すればすぐに、本来の力を発揮してくれるのではないかと思っています。今レースも残すところ明日の最終ステージのみとなりましたが、落車やパンクはじめ様々なトラブルに見舞われて、アジアツアーの洗礼をすべて食らったかなという印象です。私も含めて、選手全員が味わツアーの経験はありますが、宇都宮ブリッツェンというチームとしては初めてということで、アジアツアーの洗礼というものを全部もらったのかな、と。これまでも国内のUCIレースは走ってきましたが、出場チームの半分は国内チームで宇都宮ブリッツェンがレース全体をコントロールできるレベルのものでした。ですが、今回のレースは宇都宮ブリッツェンよりもチーム力が高いチームが多い中でのレースで、常に前を張って展開していくレースとは戦略の立て方も違う中で、選手間の意思疎通が熟成しきっていなかったり、チーム戦略通りの動きをこのレベルでやり切るだけの力が足りなかったりという部分が、惜しいところまでいくけど回しきれなかったということにつながったのかなと感じています。もちろん、このままアジアツアーのレースを重ねていけば、しっかり結果を残せる選手たちがそろっているということも確認できたレースでもありましたので、明日の最終ステージでもできる限りのことをすべてトライして、日本に帰りたいと思っています」

Text:Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY

◆第4ステージ[リザルト

[2015 Tour De Taiwan(UCI=2.1) - 4th Stage Terrific Taiwan KOM/第4站 臺湾觀光盃 登山站 - 102.78km - ]

1位 POURSEYEDIGOLAKHOUR Mirsamad (TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM) 3h12m42s 31.9km/h

2位 EMAMI Rahim (PISHMAGAN GIANT TEAM) +2s

3位 MIABANI IRANAGH Ghader (TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM) +16s

4位 ASKARI Hossein (PISHMAGAN GIANT TEAM) +25s

5位 ZEMLYAKOV Oleg (VINO 4-EVER) +1m52s

6位 BEVIN Patrick (AVANTI RACING TEAM) +1m57s

7位 MOAZEMI GODARZI Arvin (PISHMAGAN GIANT TEAM) +1m57s

8位 MEYER Travis (DRAPAC PROFESSIONAL CYCLING) +1m57s

9位 BRITTON Robert (TEAM SMARTSTOP) +1m57s

10位 KOLAHDOZHAGH Amir (TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM) +1m57s

57位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) +18m39s

71位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +23m21s

86位 鈴木真理 (宇都宮ブリッツェン) +28m12s

88位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +34m32s

DNF 青柳憲輝 (宇都宮ブリッツェン)

出走=98名/完走=92名

◆個人総合時間第4ステージ終了時

1位 POURSEYEDIGOLAKHOUR Mirsamad (TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM) 10h09m47s 39.9km/h

2位 ASKARI Hossein (PISHMAGAN GIANT TEAM) +30s

3位 EMAMI Rahim (PISHMAGAN GIANT TEAM) +46s

4位 BEVIN Patrick (AVANTI RACING TEAM) +1m50s

5位 DE LA PARTE Victor (TEAM VORARLBERG) +2m34s

6位 土井雪広 (TEAM UKYO) +2m36s

7位 MEYER Travis (DRAPAC PROFESSIONAL CYCLING) +2m36s

8位 OCKELOEN Jasper (PARKHOTEL VALKENBURG CONTINENTAL TEAM) +2m36s

9位 CHOE Hyeongmin (KOREA NATIONAL TEAM) +2m48s

10位 BRITTON Robert (TEAM SMARTSTOP) +2m51s

58位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +26m31s

61位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) +28m18s

84位 鈴木真理 (宇都宮ブリッツェン) +39m16s

91位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +51m42s

◆個人総合ポイント第4ステージ終了時

1位 BEVIN Patrick (AVANTI RACING TEAM) 42P

2位 POURSEYEDIGOLAKHOUR Mirsamad (TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM) 41P

3位 ZANOTTI Marco (PARKHOTEL VALKENBURG CONTINENTAL TEAM) 36P

◆個人総合山岳第4ステージ終了時

1位 POURSEYEDIGOLAKHOUR Mirsamad (TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM) 49P

2位 BEVIN Patrick (AVANTI RACING TEAM) 39P

3位 EMANI Rahim (PISHGAMAN GIANT TEAM) 28P

◆団体総合時間第4ステージ終了時

1位 PISHGAMAN GIANT TEAM 30h33m32s

2位 TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM +4m01s

3位 VINO 4-EVER +9m31s

21位 宇都宮ブリッツェン +1h29m34s

◆第5ステージ各賞ジャージ着用者

個人総合時間賞ジャージ

POURSEYEDIGOLAKHOUR Mirsamad (TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM)

個人総合ポイント賞ジャージ

BEVIN Patrick (AVANTI RACING TEAM)

個人総合山岳賞ジャージ

EMANI Rahim (PISHGAMAN GIANT TEAM)

アジア最優秀選手賞ジャージ
ASKARI Hossein (PISHGAMAN GIANT TEAM)


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[ついに最難関ステージとなる第4ステージの朝を迎えた]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[ステージレースは移動とも戦い。次の宿泊地に送られる各チームの荷物がロビーに所狭しとならぶ]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[出発前の慌ただしさの中、的確に仕事を進める清水監督と針谷メカ]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[肘の傷も痛々しい増田選手が、スタート地点への出発の準備を進める]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[スタート地点の日月潭は小雨がちらつく厳しいコンディション]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[悪天候の中でもしっかりとした運営でスタートの準備が整えられていく]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[スタート前には、台湾原住民サオ族の踊りも披露された]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[前夜から発熱と嘔吐に苦しんだ青柳選手は、残念ながらこのステージでレースを終えた]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[個人総合時間でのジャンプアップを狙う鈴木譲選手が準備を進める]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[スタート直前まで各選手のバイクを入念にチェックする針谷メカ]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[自分向きではないコースに挑む阿部選手が、細谷マッサーにクリーム塗ってもらいながら展開をイメージする]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[静かにスタートを待つブリッツェンの選手たち]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[引き締まった表情でパレードランを始める増田選手]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[リアルスタートに向けてパレード走行の集団内で走行する鈴木真理選手]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[晴天であれば望める阿里山も、この日は厚い雲に覆われて見えず]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[台湾のポリスがレース運営に協力的な姿が全ステージで見られる]
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[粘りの走りを見せた増田選手がフィニッシュに姿を見せる]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[今日できる最大限の走りを見せた増田選手が冷静にレースを振り返る]
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[バッドタイミングのパンクで大きく遅れてしまった鈴木譲選手は71位でゴール]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[タイヤを差し出すなどサポートの走りに徹した鈴木真理選手は87位でフィニッシュ]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[不得手なコースを走りきった阿部選手は、明日の最終ステージで大逃げを狙う]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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[過酷なレースを走った選手たちは、休む間もなく次の宿泊地へ向かう]
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY

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