[上:今シーズン徐々にコンディションを上げてきた中村選手が全日本選手権に挑む]
[下:これまで多くのレースを制してきた宮澤選手が待望の全日本タイトルを獲得した]
photo(c):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
6/27(日)に、全日本選手権ロードの「エリートクラス」が開催されました。
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このレースに、宇都宮ブリッツェンから以下の5名がエントリー。
柿沼章
中村誠
辻善光
長沼隆行
斉藤祥太
※参加選手=115名
ロードレースの全日本チャンピオンを決める「全日本選手権エリートロード」がアップダウンの厳しい1周12.3kmの広島中央森林公園特設サーキットコースで開催され、最終周回に決まった9名の先頭集団から最後の登りで4名が抜け出し、ラストのゴールスプリントを圧倒的な力で制した宮澤選手(NIPPO)が念願の全日本タイトルを獲得しました。
雨のなかで行われた前日のU23ロードとは打って変わって、蒸し暑い気候のなかで11時15分にスタートをきったエリート男子ロード。
普段は海外で活躍している選手たちも含めて、ほぼ全ての有力選手がスタートラインに並んでレースがはじまります。
1周目こそ大きな集団のままレースは流れていきますが、2周目には若干サプライズ的な流れが生まれました。
いくつかのアタックが続いた結果、20名の先頭集団が早くも形成されます。
柿沼/中村/長沼(宇都宮ブリッツェン)
佐野/菊池/中島(NIPPO)
笠原(中央大)
岩島(なるしま)
丸山/伊藤(MASSA)
竹之内(TEAM EURASIA)
向川/永良(マトリックス)
清水/飯島/狩野/山本(ブリヂストン)
野寺(シマノ)
福島(クムサン)
別府(アイサン)
ブリヂストンが4名、宇都宮ブリッツェンとNIPPOが3名を送り込む一方、シマノとアイサンが1名づつしか乗せる事ができず、タイム差が45秒となったところで不利な状況のシマノ&アイサン勢が中心となってメイン集団が追走を開始します。
先頭集団も残りの距離が長いのでそれほどペースを上げることができず、間もなく先頭の20名はメイン集団に吸収されました。
その後、レースはようやく通常のカタチに戻って、2名が泳がされる状態でアタックを決めます。
阿部(シマノ)
越海(日本大)
先頭の2名は最大で2分50秒のアドバンテージを築きますが、メイン集団はディフェンディングチャンピオンの西谷選手率いるアイサン勢がペースをコントロールして後半に備えます。
レースが膠着状態に入るなか、メイン集団から白石選手(シマノドリンキング)が飛び出しますが、有力勢は静観を続けて一定のリズムを刻んで残りの距離を消化していきました。
中盤を過ぎるとメイン集団内でも細かなアタック合戦がはじまり、残り60kmほどなって6名の先頭集団が形成されます。
柿沼章(宇都宮ブリッツェン)
村上/鈴木譲(シマノ)
飯島/清水(ブリヂストン)
佐野(NIPPO)
その後、更に動きは激化し、先頭集団は新たな4名に絞られました。
佐野(NIPPO)
平塚(シマノ)
西谷(アイサン)
飯島(ブリヂストン)
残り35kmで先頭の4名は2分30秒の差をメイン集団につけ、もしかするとこのまま逃げ切りか?といった雰囲気が漂いますが、先頭の平塚選手(シマノ)に不安を感じたシマノ勢がメイン集団で追撃を開始。
この時、シマノ勢で先頭交代に加わっていなかったのが野寺選手と土井選手(スキル・シマノ)でした。
そして、新城選手(ブイグテレコム)や、福島選手(クムサン)なども積極的にペースを上げた結果、ラスト1周でとうとう11名に絞られた追走集団が先頭の4名を捉えます。
ラストのホームストレートを通過する先頭集団は15名。
鈴木真理/野寺/平塚(シマノ)
西谷/盛(アイサン)
宮澤/佐野/増田/中島(ニッポ)
飯島/清水都貴(ブリヂストン)
新城(ブイグテレコム)
土井(スキル・シマノ)
中村(宇都宮ブリッツェン)
高岡(イナーメ)
しかし、すぐにアタックがかかり、先頭集団は9名と6名に分断されます。
優勝候補筆頭格のヨーロッパで活躍している新城選手(ブイグテレコム)と土井選手(スキル・シマノ)は、なんと後ろのグループに取り残され、先頭の9名はすぐに1分差をセカンドグループにつけてレースを決めてしまいました。
鈴木真理/野寺/平塚(シマノ)
西谷(アイサン)
宮澤/佐野/増田(ニッポ)
飯島/清水都貴(ブリヂストン)
最後の登りに入った先頭集団内でアタックが開始され、その結果、先頭は4名に絞られます。
鈴木真理/野寺(シマノ)
宮澤/佐野(ニッポ)
シマノ vs NIPPOの構図となって、最終のホームストレートに4名が姿を現すと、このレースでの引退を表明している野寺選手がまずスプリントを開始。
すぐに、高い実力を誇りながらもなかなか全日本のタイトルに手が届かなかった宮澤選手(NIPPO)が後ろから一気に加速すると、もはや誰もつくことはできず、宮澤選手がそのままゴールを駆け抜けて、見事、念願の全日本タイトルを手中に収めました。
宇都宮ブリッツェン勢は、前週の西日本ロードから良い状態を継続して、アーリーアタックに柿沼/中村/長沼がはいり、中盤に形成された先頭集団にも再び柿沼選手がのり、最後はこのレースでエースを任された中村選手が世界の舞台で活躍している強豪選手たちを相手に10位というリザルトを残しました。
栗村監督コメント
「全てのチームが本気になるレース全日本選手権ロードで、エースを担当した中村選手が同レース自己最高順位となる10位でゴールしました。このリザルトは宇都宮ブリッツェンとしてもナショナルチャンピオンシップに於ける最高成績となります。また、5月のツール・ド・熊野でステージ優勝を挙げた辻選手に続き、今期2度目のUCIポイントをチームとして獲得したことになりました。前半戦を締めくくるシーズン最重要レースの一つ全日本選手権ロードに於いて、地域密着型チームの宇都宮ブリッツェンがみせた可能性は決して小さなものではなかったでしょう。前半戦を終えての総評としては、チームはここまで着実な進歩を続けていると感じております。レベルの高いレースでこれまで以上の成績を多く残せた事は、1年目からチームを運営してきた関係者の方々や、ご支援いただいております各スポンサー様、そして、応援してくださるファンの皆様のお陰だと感じております。本当にありがとうございます。前半戦を終えたというのはあくまでも気持ち的な部分に於いてであり、レースは今週末も開催されます。残りのシーズンも“自分たちの階段を昇る”というキーワードを継続して戦って参りますので、引き続き応援のほど宜しくお願いいたします。」
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◆[リザルト]
[全日本選手権ロードエリート - 広島中央森林公園 - 196.8km]
1位 宮澤崇史(NIPPO)5h14m03s
2位 鈴木真理(シマノ)st
3位 野寺秀徳(シマノ)st
4位 佐野淳哉(NIPPO)st
5位 清水都貴(ブリヂストン)+04s
6位 西谷泰治(アイサン)+12s
7位 平塚吉光(シマノ)+39s
8位 飯島誠(ブリヂストン)+1m10s
9位 増田成幸(NIPPO)+1m16s
10位 中村誠(宇都宮ブリッツェン)+2m03s
32位 柿沼章(宇都宮ブリッツェン)+6m09s
※エントリー151名/完走35名
[KUOTAを積んだチームカーが会場に到着する]
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[針谷メカがバイクをチームカーから降ろしてスタート前の最終調整を行う]
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[前日まで降っていた雨はやみレース当日は蒸し暑いコンディションとなる]
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[全日本選手権は何度走っても緊張すると語る柿沼選手]
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[スタートに向けて各選手がウォーミングアップを開始]
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[長沼選手が集中した表情をみせる]
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[長丁場のレースに向けて準備を行う辻選手]
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[前週に同コースで開催された西日本ロードで良い走りをみせた中村選手]
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[200kmで5時間を超えるレースだが準備はしっかり行う]
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[中村選手の顔に汗が滲む]
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[スタート時間が近づき会場の空気がより一層引き締まる]
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[恐らくこれまでで最も多くの観客に見守られて11時15分にレースがスタート]
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[中村選手は最前列からスタート]
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[集団の前方付近をキープするのはロードレースの基本]
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[スタートする斉藤選手]
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[落ち着いた表情で好位置を走る中村選手]
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[2周目に決まった20名の先頭集団に長沼・柿沼・中村の3選手が入る]
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[長時間のレースながらも臆することなく積極的に走る柿沼選手]
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[周りを確認しながら落ち着いてレースを組み立てる中村選手]
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[レース中盤に先頭集団を追う動きをみせた辻選手]
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[この日はチームの為に走った長沼選手]
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[レース中盤のこう着状態が終わり新たに飛び出した7名の逃げに入る柿沼選手]
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[蒸し暑い気候のなか補給が重要になったが監督と共に支援者の方々がチームを強力にサポート]
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[ほぼ毎周回ボトルを受け取る中村選手]
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[徐々に小さくなってメイン集団をしっかりキープする中村選手]
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[サバイバルレースとなることの多い全日本で粘りをみせる柿沼選手]
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[ラスト周回に入り15名の先頭集団に残る中村選手]
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[最後に9名の先頭集団に行かれてしまったが中村選手は10位でゴール]
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[中村選手が全てを出し切り憔悴した表情でゴールラインを超えた]
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[ゴール後監督やスタッフに笑顔で迎えられる中村選手]
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[悔しさのなかにも充実感が漂う中村選手]
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[中村選手は長かったトンネルをようやく脱した]
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[完走35名のサバイバルレースで32位でゴールする柿沼選手]
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[ゴール後に様々な想いが柿沼選手の脳裏を過ぎる]
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[ゴールした中村選手を温かく見守る柿沼選手]
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[ゴール後しばらくして中村選手の表情にもようやく笑顔が戻った]
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