Live!!! JPT第22戦 JBCF 経産旗RCS
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
◆リザルト
[第51回JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ群馬大会 - JPT第22戦 - 132.0km - ]
1位 佐野淳哉 (マトリックスパワータグ) 3h22m29s 39.11km/h
2位 木村圭佑 (シマノレーシングチーム) st
3位 山本元喜 (KINAN Cycling Team) st
4位 横山航太 (シマノレーシングチーム) +10s
5位 吉田隼人 (マトリックスパワータグ) +15s
6位 吉岡直哉 (那須ブラーゼン) +16s
7位 中島康晴 (KINAN Cycling Team) +17s
8位 西村大輝 (シマノレーシングチーム) +17s
9位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +17s
10位 佐藤信哉 (VC Fukuoka・サイクルフリーダム) +17s
35位 飯野智行 (宇都宮ブリッツェン) +1m16s
53位 岡篤志 (宇都宮ブリッツェン) +2m58s
69位 馬渡信弥 (宇都宮ブリッツェン) +5m21s
72位 雨澤毅明 (宇都宮ブリッツェン) +5m57s
75位 小野寺玲 (宇都宮ブリッツェン) +7m40s
78位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +8m11s
出走=117名/完走=82名
◆2017Jプロツアー 個人ランキング
1位 ホセビセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) 2,468P
2位 佐野淳哉 (マトリックスパワータグ) 1,488P
3位 吉岡直哉 (那須ブラーゼン) 1,466P
4位 土井雪広 (マトリックスパワータグ) 1,283P
5位 吉田隼人 (マトリックスパワータグ) 1,272P
6位 入部正太朗 (シマノレーシングチーム) 1,232P
◆2017Jプロツアー チームランキング
1位 マトリックスパワータグ 7,396P
2位 宇都宮ブリッツェン 4,622P
3位 シマノレーシングチーム 4,008P
4位 那須ブラーゼン 2,474P
5位 LEOMO Bellmare Racing team 2,191P
6位 東京ヴェントス1,566P
ルビーレッドジャージ ホセビセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ)
ピュアホワイトジャージ 雨澤毅明 (宇都宮ブリッツェン)
2017年のJプロツアー最終戦となる第22戦「JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」が、群馬県みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンター6kmサーキットコースを舞台に開催され、レース序盤にできた逃げ集団に入って逃げ切ったマトリックスパワータグの佐野淳哉が、最終的に3名にまで絞られたゴールスプリント勝負を制して優勝を飾りました。
宇都宮ブリッツェンはレース序盤にできた逃げ集団に阿部選手と岡選手の2名が入ってレースを展開。最終局面になっても岡選手が4名の先頭集団にしっかりと入り、メンバーを考えるとこのまま4名のゴールスプリントになれば岡選手の勝利はほぼ確実という状況に持ち込みましたが、最終周回で岡選手がまさかの落車を喫してしまい脱落。鈴木譲選手がメイン集団のゴールスプリントで9位に入ったのが最上位という結果で今シーズンのJプロツアー最終戦を終えました。
3月から始まった今シーズンのJプロツアーも、ついに最終戦となる第22戦を迎えました。
最終戦はJプロツアーの中で最も権威があり、レースレイティングも最も高いクワトロAの「経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」で、舞台となったのは、Jプロツアーでも馴染みの深い群馬サイクルスポーツセンターの6kmサーキットコース。
もともとは新潟県南魚沼市の三国川ダム周辺の公道特設周回コースで開催される予定でしたが、コースとなる県道落合六日市線で法面の落石、崩落が起こり通行ができなく使用不可となったことを受け、開催地を急遽変更しての開催となりました。
前週のジャパンカップで雨澤選手がチーム創設史上初となる3位表彰台を獲得して勢いに乗る宇都宮ブリッツェンは、集団ゴールスプリント要員として小野寺選手を温存しつつ、一緒に逃げるメンバーを見極めながら雨澤・鈴木譲・岡の3選手のいずれかが入った逃げを作って逃げ切るプランを選択してレースに臨みました。
スタートセレモニーを終えてスタートが切られたレースは1周回目から早速、激しいアタック合戦が繰り広げられる展開となり、その激しさからいきなり集団が大きく割れる展開となります。
2周回目に入ると集団は一旦ひとつにまとまりますが、今度は8名の逃げが形成される展開に。宇都宮ブリッツェンは岡選手(宇都宮ブリッツェン)がその中に入ります。
佐野(マトリックスパワータグ)
岡(宇都宮ブリッツェン)
湊(シマノレーシング)
柴田(那須ブラーゼン)
ボシス(東京ヴェントス)
中西(キナンサイクリング)
筧(イナーメ信濃山形)
吉田(インタープロ)
↓
メイン集団
しばらくすると、8名の逃げから吉田選手(インタープロ)がドロップ。一方のメイン集団からは阿部選手(宇都宮ブリッツェン)と安原選手(シエルヴォ奈良)の2名がブリッジをかけようと集団から飛び出す展開に。追走の2名は5周回目に入る段階で逃げ集団に追い付き、先頭は9名の逃げ集団となります。
佐野(マトリックスパワータグ)
阿部、岡(宇都宮ブリッツェン)
湊(シマノレーシング)
柴田(那須ブラーゼン)
ボシス(東京ヴェントス)
中西(キナンサイクリング)
筧(イナーメ信濃山形)
安原(シエルヴォ奈良)
↓ 3分38秒
メイン集団
マトリックスパワータグ、宇都宮ブリッツェン、シマノレーシング、那須ブラーゼン、キナンサイクリングなどUCIコンチネンタルチーム勢の選手が入った逃げということもあり、メイン集団には積極的に集団を引こうとするチームがほとんどいない状態に。残るUCIコンチネンタルチームのインタープロやチームランキングで上位につけるLEOMO Bellmare勢が集団をけん引する展開となります。
この後、レースはしばらく9名の逃げ集団とメイン集団という展開のまま落ち着きを見せるかと思われましたが、集団からは中田選手(インタープロ)と若杉選手(シエルヴォ奈良)が追走に飛び出し、さらに数名の選手が続く展開に。
さらに、時をほぼ同じくして、逃げ集団では岡選手(宇都宮ブリッツェン)が背面のポケットに入れていたベストを落としてしまい、そのベストが車輪に絡んでリアディレーラーを破損してしまう事態に。
岡選手(宇都宮ブリッツェン)はすぐさまシマノのニュートラルバイクに乗り換えてレースに復帰しそのままチームピットへ。チームピットで代車に乗り換えて何とか追走集団に合流して逃げ集団への復帰を試みる展開となります。
佐野(マトリックスパワータグ)
阿部(宇都宮ブリッツェン)
湊(シマノレーシング)
柴田(那須ブラーゼン)
中西(キナンサイクリング)
筧(イナーメ信濃山形)
安原(シエルヴォ奈良)
↓ 1分20秒
岡(宇都宮ブリッツェン)
木村(シマノレーシング)
岸(那須ブラーゼン)
横塚(LEOMO Bellmare)
中田(インタープロ)
若杉(シエルヴォ奈良)
↓ 1分48秒
メイン集団
その後、レースは逃げ集団、追走集団、メイン集団のまま進んでいきますが、12周回目に入る頃になるとついに追走集団が逃げ集団をキャッチ。先頭は14名の集団となります。
佐野(マトリックスパワータグ)
阿部、岡(宇都宮ブリッツェン)
湊、木村、秋田(シマノレーシング)
岸、柴田(那須ブラーゼン)
横塚(LEOMO Bellmare)
中西(キナンサイクリング)
筧(イナーメ信濃山形)
中田(インタープロ)
ペレス(エルドラード東北)
安原(シエルヴォ奈良)
↓ 1分
メイン集団
すると、少しずつタイム差を縮めていたメイン集団からは山本選手(キナンサイクリング)と横山選手(シマノレーシング)の2名が飛び出して追走に出る展開となり、14周回目を終える頃には先頭集団に合流。先頭は16名となります。
佐野(マトリックスパワータグ)
阿部、岡(宇都宮ブリッツェン)
湊、木村、秋田、横山(シマノレーシング)
岸、柴田(那須ブラーゼン)
横塚(LEOMO Bellmare)
山本、中西(キナンサイクリング)
筧(イナーメ信濃山形)
中田(インタープロ)
ペレス(エルドラード東北)
安原(シエルヴォ奈良)
↓ 1分20秒
メイン集団
2名が合流して16名となった先頭集団は、それまで若干牽制気味だった状態から協調体制がとれるようになり、再びメイン集団とのタイム差が拡大。17周回目の段階で2分22秒にまでその差が開き始めます。
こうなると、後方のメイン集団もレースを降ろされてしまう可能性が勃発。それを嫌がった宇都宮ブリッツェン勢が集団のペースメイクをする状況に。さらに残り5周回となる18周回目になるとマトリックスパワータグ勢と協調して集団をコントロールするようになります。
レースも残り3周回となる20周回目を迎えると、少しずつ逃げ切りが濃厚となってきた先頭集団でも勝利に向けた動きが出始め、集団が大きくふたつに割れる展開となります。
佐野(マトリックスパワータグ)
岡(宇都宮ブリッツェン)
湊、木村(シマノレーシング)
山本、中西(キナンサイクリング)
↓
追走8名
↓
メイン集団
残り2周回となる21周回目になると、先頭の6名から岡選手(宇都宮ブリッツェン)、湊選手(シマノレーシング)、中西選手(キナンサイクリング)の3名がアタック。この動きはすぐに潰されてしまいますが、そこで新たに4名が飛び出してレースは最終周回へと入っていきます。
佐野(マトリックスパワータグ)
岡(宇都宮ブリッツェン)
横山(シマノレーシング)
山本(キナンサイクリング)
↓
追走集団
↓
メイン集団
先頭の4名のメンバーを見ると、横山選手(シマノレーシング)にスプリント力はあるものの、岡選手(宇都宮ブリッツェン)のスプリント力の方が上回っている状況。このままの展開でスプリントになれば岡選手(宇都宮ブリッツェン)の勝利がグッと近付く状況と言えます。
最終周回に入った先頭の4名はそのまま下り区間へ。ここで佐野選手(マトリックスパワータグ)が少し離れたのを見た岡選手(宇都宮ブリッツェン)は脅威となる選手をふるい落とそうと攻撃的な走りで下り区間を攻めていきますが、その姿勢が仇となってヘアピンコーナーで落車。最後の最後で勝負の場面から脱落してしまう事態となります。
その後、横山選手(シマノレーシング)がドロップし木村選手(シマノレーシング)が合流した先頭3名が逃げ切り、勝負はそのままゴールスプリントへ。
真っ先に仕掛けた山本選手(キナンサイクリング)に対して木村選手(シマノレーシング)と佐野選手(マトリックスパワータグ)もスプリントを開始。最後は佐野選手(マトリックスパワータグ)が僅かの差で差し切って優勝を飾りました。
宇都宮ブリッツェンは、最終局面で先頭の4名にいた岡選手が痛恨の落車を喫してしまい勝負に絡めず。さらに後方のメイン集団でもスプリントに向けて温存していた小野寺選手がパンクに見舞われて遅れてしまいスプリントに絡めず。鈴木譲選手が9位でフィニッシュしたのが最上位で、今シーズンのJプロツアー最終戦を終えることとなりました。
清水監督コメント
「不運、のひと言に尽きるレースだったと思います。防ぎようのない2パンク、3トラブルでレースを失うことになってしまいました。最後は岡選手のためのレースになったと思っていましたし、岡選手が今シーズン初勝利を挙げられるかなと思っていたところで落車してしまって、それは本人の注意不足という点は否めないところです。後ろの集団でも輪翔旗を獲得するという部分にも対応できるように、追いついた際のスプリントのために小野寺選手をしっかり温存できていたのですが、小野寺選手もパンクに見舞われてしまいました。こうなると勝負ができる人数自体も減ってしまってどうにもなりませんでした。今シーズンのJプロツアーでの不運な部分が最終戦ですべて出てしまったかなという印象です。今年のJプロツアーはマトリックスパワータグのレース強さと運の良さ、実力の部分も含めて、強さが全部出たシーズンだったと感じています。ただ、今日に関しては我々も勝てる位置にいたのは間違いないので、本当に不運としか言いようがないです。実力勝負になって、その中で岡選手を勝たせてやりたかったところですが、それは来年に持ち越しですね。まぁでも、シーズンを通してチームの強さが確実にアップしているということは見せられたと思っていますので、来年しっかりと全員そろって走ることができれば確実に優勝に増やせると思っています。今日は隣県での開催、さらに最終戦ということもあり多くのファン・サポーターの皆さんに来ていただいたので勝ちたかったんですが…。先週のジャパンカップで盛り上がった分だけ、今日のことは忘れてください(笑)。応援、ありがとうございました!」
Text:Nobumikchi.Komori/HATTRICK COMPANY
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