Live!!! JPT第19戦 JBCF 輪島ロード
photo(C):Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
◆リザルト
[第10回JBCF輪島ロードレース - JPT第19回 - 88.6km - ]
1位 雨澤毅明 (宇都宮ブリッツェン) 2h37m02s 33.84km/h
2位 土井雪広 (マトリックスパワータグ) +1m21s
3位 佐野淳哉 (マトリックスパワータグ) +1m22s
4位 ホセビセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) +1m23s
5位 西村大輝 (シマノレーシングチーム) +1m32s
6位 飯野智行 (宇都宮ブリッツェン) +1m35s
7位 米谷隆志 (LEOMO Bellmare Racing team) +1m35s
8位 ハビエル・サラダ・ペレス (エルドラード東北) +2m45s
9位 田窪賢次 (マトリックスパワータグ) +4m31s
10位 吉岡直哉 (那須ブラーゼン) +5m01s
15位 馬渡伸弥 (宇都宮ブリッツェン) +9m04s
30位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +11m39s
DNF 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン)
DNF 岡篤志 (宇都宮ブリッツェン)
出走=86名/完走=33名
◆2017Jプロツアー 個人ランキング
1位 ホセビセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) 2,219P
2位 吉岡直哉 (那須ブラーゼン) 1,299P
3位 入部正太朗 (シマノレーシングチーム) 1,109P
4位 雨澤毅明 (宇都宮ブリッツェン) 1,078P
5位 吉田隼人 (マトリックスパワータグ) 1,053P
6位 田窪賢次 (マトリックスパワータグ) 947P
◆2017Jプロツアー チームランキング
1位 マトリックスパワータグ 5,853P
2位 宇都宮ブリッツェン 4,030P
3位 シマノレーシングチーム 3,118P
4位 那須ブラーゼン 2,189P
5位 LEOMO Bellmare Racing team 2,081P
6位 愛三工業レーシングチーム 1,483P
ルビーレッドジャージ ホセビセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ)
ピュアホワイトジャージ 雨澤毅明 (宇都宮ブリッツェン)
2017年のJプロツアー第19戦となる「JBCF輪島ロードレース」が、石川県輪島市の美しくも厳しい公道サーキットコースで開催され、レース中盤にできた5名の先頭集団がそのまま逃げ切り。その中から、最終周回に入った最初の上りで抜け出した宇都宮ブリッツェンの雨澤毅明がそのまま独走で残りを走り切り、今シーズンJプロツアー2勝目となる優勝を飾りました!
2017年のJプロツアーも、今レースを含めて残すところあと4戦。そんな中で行われる「JBCF輪島ロードレース」は、能登半島地震の復興レースとして2008年に初開催され今年で節目の10回目の開催。今回が最後の開催となり、その歴史に一旦、幕を降ろすことになります。
U23日本代表で2カ月に及ぶ欧州遠征を走り抜いてきた雨澤選手と岡選手の2名がチームに戻り(小野寺選手は日本ナショナルチームで香港のレースに出場するため不在)、フルメンバーの8名とはいかないまでも久しぶりに6名での出走となった宇都宮ブリッツェンは、これまでの数的不利で苦しんだ数レースの鬱憤を晴らしたいところです。
そのため、総合力に優れ厳しい展開にも対応できる雨澤選手をエースに、後半まで人数を残して勝ちにこだわってレースを展開するプランを選択。雨澤選手はルビーレッドジャージを着るマトリックスパワータグのトリビオ選手を序盤から中盤にかけてマーク。残る選手は逃げて先待ちするか、集団で雨澤選手をサポートしながらレースを進めていくことを確認してレースに臨みました。
輪島市門前の街中をパレード走行した後にリアルスタートが切られたレースは、最初の上りでの小山選手(シマノレーシング)のアタックをきっかけに散発的にアタックはかかったものの、集団が落ち着いて吸収。その後は集団のまま進んでいく展開となります。
すると、1周回目を終えようかという段階で岡選手(宇都宮ブリッツェン)がアタック。その動きに安原選手(シエルヴォ奈良)が反応して2名が集団から先行する形となります。
しかし、この2名の先行はひとつ目の下りを終えた川沿いの平坦路で集団が吸収。そのカウンターで阿部選手(宇都宮ブリッツェン)がアタックを仕掛けて飛び出しますが、この動きもふたつ目の上りで吸収されます。
その後、集団がふたつ目の下り区間に入ると、雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)と佐野選手(マトリックスパワータグ)の2名が集団から飛び出して3周回目へと入っていきます。
3周回目に入った段階で、メイン集団の人数は15名ほどにまで絞られる展開に。今年もサバイバルレースの様相を呈していきます。
3周回目に入ると、先行していた雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)と佐野選手(マトリックスパワータグ)は集団が吸収しますが、ふたつ目の上りに入ると集団が割れる展開となります。
4周回目に入ると最初の上りで雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)が若干先行し、その後方に5名の追走、さらにその後方に鈴木譲選手(宇都宮ブリッツェン)を含む5名程度の追走が続く展開となります。
その後、雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)は追走に吸収され、5周回目に入る頃には5名の先頭集団が形成される展開に。後方の追走集団は崩壊し、数名の選手ずつがまとまって、先行する5名を追いかける展開となります。
土井、トリビオ(マトリックスパワータグ)
雨澤(宇都宮ブリッツェン)
米谷(リオモベルマーレ)
ペレス(エルドラード東北)
↓
湊(シマノレーシング)
吉岡(那須ブラーゼン)
↓
田窪(マトリックスパワータグ)
↓
鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)含む集団
↓
阿部、飯野(宇都宮ブリッツェン)含む集団
この頃になると、先頭の5名の逃げ切りが濃厚な状況に。唯一2名の選手が入っているマトリックスパワータグが俄然有利な状況となります。
6周回目に入ると、ひとつ目の上りでペレス(エルドラード東北)が遅れ始め、先頭は4名に。さらに米谷選手(リオモベルマーレ)も遅れ始めて、先頭はマトリックスパワータグ2名、宇都宮ブリッツェン1名という状況となります。
土井、トリビオ(マトリックスパワータグ)
雨澤(宇都宮ブリッツェン)
↓ 5秒
ペレス(エルドラード東北)
しかし、ひとつ目の上りの頂上に設定された山岳ポイント近くになると、後方からペレス選手(エルドラード東北)が何とか先頭に復帰。先頭は4名となったまま、レースは最終周回を迎えることになります。
最終周回に入り、ひとつ目の上りでマトリックスパワータグ勢のアタックを警戒して雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)がペースを上げ始めると、まずはペレス選手(エルドラード東北)がドロップ。続いて土井選手(マトリックスパワータグ)が遅れ始め、さらにトリビオ選手(マトリックスパワータグ)も遅れ始めて雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)が単独で先行する展開となります。
雨澤(宇都宮ブリッツェン)
↓ 約30秒
トリビオ(マトリックスパワータグ)
↓ 約40秒
土井(マトリックスパワータグ)
ひとつ目の下りを終えて平坦区間に出ると、単独で先行する雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)と追走のトリビオ選手(マトリックスパワータグ)とのタイム差は45秒程度にまで拡大。雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)の逃げ切り勝利の可能性がグッと高まってきます。
しかし、後方ではトリビオ選手(マトリックスパワータグ)に土井選手(マトリックスパワータグ)が追いつき、2名で雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)を追走。さらにその後方から、ふたつ目の上りで抜け出した佐野選手がチームメート2名に合流し、マトリックスパワータグの3名が単独で先行する雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)を追走する展開になります。
経験豊富な選手が3名そろったマトリックスパワータグ勢が追い上げるかに思われたレースでしたが、その後もペースを落とすことなく走りきった雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)はそのまま逃げ切り、優勝。7月の第9戦に続き、今シーズンJプロツアー2勝目をマークしました!
清水監督コメント
「今日のレースは本当、雨澤選手の力で勝ったレースだったと思います。最後は1対2という不利な状況になったにも関わらず、そこから抜け出して勝利を収めるというのは本人の実力だと思います。序盤からチーム全員が良く動いていくれて、展開としても雨澤選手中心のパターンになってきたところで出来ることをやってくれて、本当に良くやってくれたと思います。前半に雨澤選手自身が動き過ぎてしまっていた場面があって、本人もそれは気にしていたようだったんですが中盤から修正して、マトリックスパワータグの実力のあるベテラン選手2名との勝負になってからも落ち着いたレース運びをしてくれて、実力とテクニックがガッチリ噛み合った勝利を飾ってくれたと思います。最後の上り勝負になればチャンスはあると思っていたので、残り2周回のアップダウン区間で他チームの攻撃がなかったのが幸いと言いますか、彼らも疲れていたのか正々堂々と上りで勝負と思っていたのかはわかりませんが、上り勝負に持ち込めたことが勝因だと思います。自分も雨澤選手が欧州遠征から帰ってきた時に“待ってたよ”と伝えたのですが、勝利で成長して帰国したことを証明してくれたと思います。皆さんも、“おかえり、おめでとう!”と言ってあげてください。ありがとうございました!」
雨澤選手コメント
「当初の作戦では、最後の最後に皆んなを残すために僕は前半抑えるはずだったんですが、我慢できなくて(笑)攻撃を仕掛けました。緩いレース展開が嫌だったので、レースが緩むぐらいだったら自分のペースで上っていこう、攻撃的な走りをずっとしていこうという感じでレースをしていました。序盤は自分でもアタックを仕掛けたりしていましたが、その後はずっと自分のペースを守って上っていたのですが、残り3周になったところで思った以上に脚がなくなってきていると感じて、“ヤバい、やり過ぎたかな?”と思いました。でも、僕だけじゃなくて付いて来る選手も脚を使っていたみたいなので、最後の1周もトリビオ選手のアタックを警戒してペースアップしたら後ろが千切れたので、それならこのまま行こうという感じで決まった感じでした。今シーズン最大の目標としていたツール・ド・ラヴニール、そして世界選手権が終わった後は、正直、モチベーションを保つのは苦しい時もありましたが、10月にはジャパンカップという大きなレースがあるので、そこに向けてコンディションを上げていこうと気持ちを切り替えています。そのためにも、このレースでは楽に走るというよりは、ジャパンカップに向けてキツくキツくしていこうと考えて走りました。ファン・サポーターの皆さんには、ここまでもどかしい気持ちにさせてしまっていると思います。でも、U23組の僕らが帰ってきたからには残りレースを全部勝つので、引き続き応援、よろしくお願いします!」
Text:Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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