Live!!! JPT第6戦 JBCF 群馬CSCロード
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
◆リザルト
[第8回JBCF群馬CSCロードレースDay-2 - JPT第6戦 - 120.0km - ]
1位 ジョン・アベラストゥリ・イザガ (Team UKYO) 2h55m12s 41.09km/h
2位 吉岡直哉 (那須ブラーゼン) st
3位 中根英登 (愛三工業レーシングチーム) st
4位 ホセビセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) st
5位 畑中勇介 (Team UKYO) st
6位 小野寺玲 (宇都宮ブリッツェン) st
7位 綾部勇成 (愛三工業レーシングチーム) st
8位 ヴァラド・ジェゾン (NEILPRYDE-NANSHIN SUBARU CYCLING TEAM) st
9位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) st
10位 ベンジャミン・プラデス (Team UKYO) st
17位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +01s
43位 堀孝明 (宇都宮ブリッツェン) +1m56s
55位 大久保陣 (宇都宮ブリッツェン) +3m21s
67位 雨澤毅明 (宇都宮ブリッツェン) +5m58s
68位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +5m59s
DNF 鈴木真理 (宇都宮ブリッツェン)
出走=146名/完走=73名
◆2016Jプロツアー 個人ランキング
1位 ジョン・アベラストゥリ・イザガ (Team UKYO) 5,016P
2位 ベンジャミン・プラデス (Team UKYO) 2,816P
3位 ホセビセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) 2,546P
4位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) 2,426P
5位 中根英登 (愛三工業レーシングチーム) 2,346P
6位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) 2,236P
◆2016Jプロツアー チームランキング
1位 Team UKYO 10,578P
2位 宇都宮ブリッツェン 7,328P
3位 マトリックスパワータグ 6,188P
4位 愛三工業レーシングチーム 6,068P
5位 シマノレーシングチーム 4,898P
6位 那須ブラーゼン 3,598P
ルビーレッドジャージ ジョン・アベラストゥリ・イザガ (Team UKYO)
ピュアホワイトジャージ 小野寺玲 (宇都宮ブリッツェン)
2016年のJプロツアー第6戦となる「JBCF群馬CSCロードレースDay-2」が群馬県みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンター6kmサーキットコースで開催され、前日の第5戦で圧倒的なスプリント力を見せてJプロツアー初優勝を飾ったTeam UKYOのジョン・アベラストゥリ・イザガが、この日も抜群のスプリントを見せて勝利。群馬CSCロードレース2連勝を達成しました。
宇都宮ブリッツェン勢は、3周回目に形成された9名の逃げ集団に大久保選手と雨澤選手が入り、さらに9周回目には堀選手がメイン集団からの追走で逃げに合流して14名の逃げ集団を形成。有力チームの有力選手が多数入ったこの逃げ集団はレース終盤まで人数を減らしながら逃げ続け、最後は大久保選手と堀選手を含む3名の逃げが最終周回まで逃げ続けましたが惜しくも集団に吸収。ゴールスプリント勝負に臨んだ小野寺選手の6位が最高位でレースを終えました。
またこの結果、小野寺選手がピュアホワイトジャージをキープしています。
3月20日の宇都宮クリテリウムから始まった今シーズンのJプロツアーも早5戦を消化(うち白浜クリテリウムは暴風雨のため中止)。これまでのレースでの優勝は宇都宮ブリッツェン、Team UKYO、そしてマトリックスパワータグとシーズン開幕前からの予想通り3強が分け合っていますが、前日の第5戦でTeam UKYOが2勝目を挙げ一歩リードする形となりました。
そんな中で迎える今レースは、今シーズンから初めての試みとして始まった2日連続ロードレースの2日目。1日目と同じようなレース展開になるのか、はたまた全く異なるレース展開になるのか。各チームの戦略に注目が集まります。
宇都宮ブリッツェンは前日のレースでの反省点をミーティングでも話し合い、同じ轍を踏まないことをしっかり確認し合ってレースに臨みました。
レースはスタートから各チームが積極的にアタックを仕掛け合う、前日同様の展開で始まります。
ですが、前日と比べて各チームとも走りに勢いがあったことで1周回目から集団がタテに伸び、集団が割れてはひとつになる状況を繰り返しながら周回を重ねていく展開となります。
レースが動いたのは3周回目。雨澤選手(宇都宮ブリッツェン)のアタックを契機に数名の選手が飛び出して最終的に9名の逃げ集団が形成され、4周回目に入る頃にはメイン集団から40秒のタイム差を奪う展開となります。
大久保、雨澤(宇都宮ブリッツェン)
田窪(マトリックスパワータグ)
小森(愛三工業レーシング)
横山(シマノレーシング)
岸(シエルヴォ奈良)
小坂、水野(那須ブラーゼン)
伊丹(キナンサイクリング)
↓ 40秒
メイン集団
この9名の逃げ集団はリーダーチームのTeam UKYOの選手が入っていないこともあり、すぐに協調体制をとってローテーションを繰り返しながらメイン集団とのタイム差を広げていきます。
一方のメイン集団では、この9名の逃げ集団にブリッジをかけようと追走に出る選手たちが集団から何度か飛び出す動きを見せますが決定的なものとはならず、5周回目に入る段階でも9名の逃げ集団とメイン集団という形は変わらないままレースが進んでいきます。
6周回目に入ると、メイン集団から湊選手(シマノレーシング)が単独アタックを仕掛けて飛び出して9名の逃げ集団の追走に入る展開となります。
9名の逃げ集団
↓ 40秒
湊(シマノレーシング)
↓ 20秒
メイン集団
すると、湊選手(シマノレーシング)の動きに追随するように黒枝選手(愛三工業レーシング)や吉田選手(マトリックス)など有力チームのエーススプリンターを含む数名の選手がメイン集団から飛び出して湊選手に合流。5名の追走集団となって9名の逃げ集団を追いかける展開となります。
9名の逃げ集団
↓ 45秒
堀(宇都宮ブリッツェン)
吉田(マトリックス)
早川、黒枝(愛三工業レーシング)
湊(シマノレーシング)
↓ 1分5秒
メイン集団
レースはしばらく9名の逃げ集団、5名の追走集団、そしてメイン集団という形のまま進んでいきますが、9周回目に入る頃になると4名になった追走集団がついに逃げ集団に合流。逃げ集団は13名となります。
大久保、堀、雨澤(宇都宮ブリッツェン)
吉田、田窪(マトリックス)
早川、小森、黒枝(愛三工業レーシング)
横山(シマノレーシング)
伊丹(キナンサイクリング)
岸(シエルヴォ奈良)
小坂、水野(那須ブラーゼン)
↓ 3分15秒
メイン集団
レースも折り返しとなる10周回目に入ると、逃げ集団とメイン集団とのタイム差は3分30秒程度にまで拡大。この頃になると逃げ集団から小坂選手(那須ブラーゼン)が遅れて先頭は12名となりますがタイム差を保ったまま逃げ続ける展開が続きます。
一方のメイン集団では、大所帯の逃げ集団に選手を送り込めなかったリーダーチームのTeam UKYOがタイム差を考慮して集団先頭に立ってペースアップを開始。その後方にはマトリックスや愛三工業レーシング、宇都宮ブリッツェンなどの有力チーム勢が陣取り、脚を温存させつつ次の展開に備える状況となります。
その後、レースは14周回目に入った段階まで12名の逃げ集団とTeam UKYOがペースアップするメイン集団という形で、タイム差も3分台という状況が続きますが、14周回目も後半になるとそのタイム差が少しずつ縮まり、15周回目に入る段階では2分台前半にまでタイム差が縮まる展開となります。
こうなると、レースは着実にタイム差を縮めるメイン集団から逃げ集団が逃げ切れるかが最大のポイント。そのことを十分に理解している逃げ集団も逃げ切りを信じる選手たちが中心となり、ローテーションを繰り返しながら懸命に逃げ続けます。
そんな状況の中、タイム差が2分を切る状況の中で迎えた17周回目。逃げ集団からは伊丹選手(キナンサイクリング)が遅れ始め、さらに早川選手(愛三工業レーシング)もパンクで遅れる事態となり、逃げ集団は10名となります。
それでもなお、10名の選手たちはラップタイムを上げて懸命に逃げ続けますが、追走の手を緩めないメイン集団は逃げ集団を15秒ほど上回るラップタイムで追走を続ける状態となります。
すると、残り周回数とタイム差が少なくなってきたこの状況を受けて、10名の逃げ集団内でもこのまま逃げ切りに懸ける選手と集団に戻って次の展開に備えようとする選手のどちらもが出始め、これまで順調だった意思の疎通が思うようにいかない状況が生まれ始めます。
18周回目に入ると、10名の逃げ集団とメイン集団とのタイム差はついに1分を切る状況に。
この状況をなんとか打開しようと、心臓破りの坂の麓から黒枝選手(愛三工業レーシング)がアタックを開始。このアタックにチームメートの小森選手(愛三工業レーシング)とともに大久保選手(宇都宮ブリッツェン)が反応しますが、その後方はこのアタックについていくことができず、逃げ集団はついに分裂します。
すると、分裂した逃げの後方集団にいた選手の中から、堀選手(宇都宮ブリッツェン)のみが先行する3名の選手に合流し、逃げ集団には宇都宮ブリッツェンと愛三工業レーシングが2名ずつ選手を送り込む形となって残り2周回となる19周回目へと入っていきます。
大久保、堀(宇都宮ブリッツェン)
小森、黒枝(愛三工業レーシング)
↓ 25秒
メイン集団
19周回目に入ると、4名の逃げ集団から小森選手(愛三工業レーシング)が遅れ始め、逃げ集団は3名に。メイン集団がすぐ後方にまで迫ってくる中、逃げ切りの可能性を信じて3名の選手が逃げ続けたまま最終周回を迎えることとなります。
大久保、堀(宇都宮ブリッツェン)
黒枝(愛三工業レーシング)
↓ 11秒
メイン集団
最終周回に入ると、ローテーションの流れの中から堀選手(宇都宮ブリッツェン)が単独で飛び出す展開に。逆にメイン集団からは2名の選手が飛び出して大久保選手(宇都宮ブリッツェン)と黒枝選手(愛三工業レーシング)に追いつき、さらに集団が先行するすべての選手を吸収してひとつとなった状態で最終局面を迎えることとなります。
ひとつになった集団は残り距離が極わずかだったことも手伝って、ひとつのままでホームストレートへとなだれ込んでいきます。
そして迎えたゴールスプリント。
吉岡選手(那須ブラーゼン)や中根選手(愛三工業レーシング)、トリビオ選手(マトリックス)らが抜群のスプリントでゴールに迫る中、それを上回るスプリントで先頭に躍り出たのは前日も圧巻のゴールスプリントで勝利を挙げたアベラストゥリ選手(Team UKYO)でした。
力の差をまざまざと見せつけたアベラストゥリ選手(Team UKYO)は、2日連続となる大きなガッツポーズでフィニッシュラインを駆け抜け、見事に群馬CSCロードレース連勝を飾りました。
宇都宮ブリッツェンは、逃げ切り勝利に懸けた大久保選手と堀選手の後を受けた小野寺選手がゴールスプリント勝負に挑みましたが、惜しくも届かず6位。序盤から終始攻撃的に動き続けたレースで勝利を挙げることは叶いませんでした。
清水監督コメント
「今日のレースは中堅の大久保選手と堀選手、若手の雨澤選手が攻めに攻めたいいレースだったと思います。結果的には小野寺選手の6位が最高位で勝利には手が届きませんでしたが、序盤からやるべきことをいろいろと試し続けた上での結果なので、優勝したアベラストゥリ選手の厳しいレースでもしっかり脚を残してスプリントできる実力、そして残り5周回で3分以上のタイム差をひっくり返したTeam UKYOのチーム力が際立ってしまったなという印象です。ですが、宇都宮ブリッツェンとしても逃げ集団内でもメイン集団内でも選手たちはできること、やるべきことはやってくれました。選手たちは素晴らしい形ですごくいいレースをしてくれましたが、強力なTeam UKYOに勝つにはもうひと工夫が必要になってくるなと私自身も感じました。今日もたくさんのファン・サポーターの皆さんに来ていただき、熱くなれるレースをお見せすることができたとは思いますが、勝つことができず申し訳なく、また、残念に思っています。ただ、ベテランから中堅・若手まで選手全員が躍動するチームの底力というものは発揮できたと思っていますので、この後のレースで巻き返していきたいと思います。この後は5月末から始まるツアー・オブ・ジャパンまで1カ月ほどレースが空く状態となりますので、中堅・若手選手はさらなるレベルアップ、ベテラン選手はそれぞれがベストに近いコンディションでレースに臨めるよう、これからの1カ月を過ごしていきたいと考えています」
Text:Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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