Live!!! JPT13戦 JBCF 湾岸クリテ
photo(C):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
◆リザルト
[JBCF 湾岸クリテリウム2015 - JPT第13戦 - 34.8km - ]
1位 ロイック・デリアック (KINAN Cycling Team) 50m55s 41.0km/h
2位 中村龍太郎 (イナーメ信濃山形) +6s
3位 入部正太朗 (シマノレーシング) +18s
4位 野中竜馬 (KINAN Cycling Team) +25s
5位 ホセビセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) +25s
6位 畑中勇介 (Team UKYO) +26s
7位 窪木一茂 (Team UKYO) +26s
8位 サルバドール・グアルディオラ (Team UKYO) +26s
9位 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +26s
10位 鈴木龍 (那須ブラーゼン) +27s
11位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) +28s
16位 城田大和 (宇都宮ブリッツェン) +1m32s
21位 阿部嵩之 (宇都宮ブリッツェン) +2m24s
DNF 鈴木真理 (宇都宮ブリッツェン)
DNF 堀孝明 (宇都宮ブリッツェン)
出走=40名/完走=21名
◆2015Jプロツアー 個人ランキング
1位 畑中勇介 (Team UKYO) 7,633P
2位 ホセビセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) 6,071P
3位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) 5,882P
4位 ベンジャミン・プラデス (マトリックスパワータグ) 5,210P
5位 オスカル・プジョル (Team UKYO) 5,110P
6位 パブロ・ウルタスン (Team UKYO) 5,029P
◆2015Jプロツアー チームランキング
1位 Team UKYO 27,493P
2位 マトリックスパワータグ 21,474P
3位 宇都宮ブリッツェン 17,968P
4位 那須ブラーゼン 11,840P
5位 KINAN Cycling Team 10,490P
6位 レモネードベルマーレレーシングチーム 9.166P
ルビーレッドジャージ 畑中勇介(Team UKYO)
ピュアホワイトジャージ 新城雄大(那須ブラーゼン)
2015年のJプロツアー第13戦となる「JBCF湾岸クリテリウム2015」が、東京都江東区のシンボルプロムナード公園に設定された1周1.45kmの特設周回コースで開催され、序盤から逃げ集団で動き続けて終盤に抜け出したキナンレーシングチームのロイック・デリアックが今季初勝利を挙げました。この勝利はキナンレーシングチームにとってもJプロツアーで記念すべき初勝利となっています。
宇都宮ブリッツェン勢は、スプリンター大久保選手を欠く状態での決勝レースを自分たちから動いてレースを厳しい展開に持ち込んで人数を削り、少人数のゴールスプリントか逃げ切りでの勝利を目指してレースに臨み、レースを積極的にコントロールするなど見せ場は作ったものの、勝負どころの場面で後手を踏んでしまった感は否めず、鈴木譲選手の9位が最高位でレースを終えています。
2015年のJプロツアーも折り返しを過ぎ、約1カ月の中断期間を迎える直前のレースとなった今レース。各チームともが良いイメージを持って中断期間、そして中断明けの後半戦に入っていくことを狙って、積極的なレースを展開することが予想されます。
宇都宮ブリッツェンも、スプリンターとして覚醒しつつある大久保選手をエースにゴールスプリント勝負に挑むプランを見据えて午前中に4組に分かれて行われた予選に挑みましたが、各組10名という狭き予選通過の門を大久保選手がクリアできず。エーススプリンターを失ったチームは決勝を前に、急遽プランの変更を迫られることとなります。
チームは鈴木真理選手、鈴木譲選手とスプリント力のある選手を抱えているものの、ピュアスプリンターをエースに据えるライバルチームとの大集団ゴールスプリントでは分が悪いこともあり、積極的に攻撃を仕掛けて集団に揺さぶりをかけて勝負どころまでに人数を削り、そこから逃げ切りでの勝利もしくは小集団のゴールプリントで勝利をつかむことを目標にレースに臨みました。
レースがスタートすると、早速、各チームによるアタックの応酬が繰り広げられる展開に。しかし、数人の選手が飛び出しては集団がすかさずキャッチするという展開が続き、決定的な逃げは決まらない状況が続きます。
それでも、6周回目に入る頃になると、10名程度の選手が先行して集団からリードを奪う展開となり、宇都宮ブリッツェンはその中に阿部選手と堀選手を送り込んで次の展開に備えることとなります。
有力チームの選手が複数人ずつ入ったこの逃げは協調体制をとってローテーションを繰り返してメイン集団から少しずつリードを奪っていきます。
一方のメイン集団は、マトリックスパワータグやTeam UKYO、宇都宮ブリッツェンなど逃げに選手を送り込んでいるチームが集団の先頭に立ってコントロールしようと試みますが、各チームの思惑が噛み合わなかったのか、しっかりとまとまることなくレースが進んでいきます。
そうこうするうちに、11周回目になると堀選手が逃げ集団からドロップ。宇都宮ブリッツェンは逃げ集団に阿部選手のみという芳しくない状況となってしまいます。
その状況を受け、メイン集団で待機していた宇都宮ブリッツェンの選手たちは、メイン集団のペースアップを開始。鈴木真理選手や城田選手が先頭を引いて逃げ集団の追走に入ります。
一方、堀選手がドロップして8名となった逃げ集団からは、全日本TTチャンピオンの中村選手(イナーメ信濃山形)が単独アタック。持ち前の独走力で共に逃げていた集団からリードを奪います。
レースはしばらく、単独で逃げる中村選手(イナーメ信濃山形)、7名の追走集団、宇都宮ブリッツェン勢が中心となってコントロールするメイン集団という形で進行していきますが、残り7周回を迎えようかという頃になると、追走集団からデリアック選手(キナンサイクリング)が飛び出し、単独で逃げる中村選手(イナーメ信濃山形)にブリッジをかけて中村選手(イナーメ信濃山形)に合流、先頭は2名となります。
この動きで協調体制が崩れて牽制が入った追走集団は程なくしてメイン集団に吸収され、レースは2名の先頭とそれを追うメイン集団という展開になります。
デリアック(キナンサイクリング)
中村(イナーメ信濃山形)
↓ 約30秒
メイン集団
レースも佳境の残り3周回に入ると、先頭の2名からデリアック選手(キナンサイクリング)がアタックを仕掛けて、独走体制に。時をほぼ同じくして、メイン集団からは入部選手(シマノレーシング)が先行する2名の選手に追いつこうと単独で飛び出します。
デリアック(キナンサイクリング)
↓ 5秒
中村(イナーメ信濃山形)
↓ 18秒
入部(シマノレーシング)
↓ 30秒
メイン集団
結局、タイム差に多少の動きはあったものの、レースは最後までこの形のまま進み、デリアック選手(キナンサイクリング)が独走逃げ切りでJプロツアーでは昨年の大分ロード以来となる勝利を飾りました。この勝利は、今季からJプロツアーに参戦しているキナンサイクリングチームにとって、うれしい初勝利ともなりました。
宇都宮ブリッツェン勢は、鈴木真理選手と城田選手を中心にメイン集団のペースを上げて先行する選手たちを吸収しようと奮闘しましたが、残念ながら届かず。4位集団のゴールスプリントで鈴木譲選手が9位に入るにとどまっています。
清水監督コメント
「今日のレースは、本当に残念な結果のレースになってしまいました。もともとこのレースには大久保選手のゴールスプリント1本でいこうという話をしていたのですが、大久保選手が予選落ちという結果で急遽プランの修正を迫られる事態となってしまいました。ライバルチームがとってくるであろう作戦を考慮して我々もプランを修正してレースに臨んだのですが、それがまたハマらなかったという印象です。レース中もチームで動いて修正をかけていった場面もあったのですが、我々のチーム力だけでは修正をかけ切れない部分もありました。そこで他のチームの同調を得なければいけないところだとは思うのですが、他のチームも動くタイミングが違って我々が穴を補修しなければいけない状況になってしまったというのは、どこかでボタンを掛け違えてしまっているのだろうな、と。ここ数レースは本当に各チーム、各選手の力が拮抗していて、勝った選手はチーム力どうこうではなく、選手個人のセンスやワンポイントの個人の力で勝っていて、勝負勘や勝負を決めきる力というのが大きく影響していると感じています。我々も実力はあるし十分に勝負の場面に絡んでいけるのですが、昨季をチームで上手く戦ってきたためか今季もチームで動き過ぎる場面が多くて、エースを担う選手たちがが本来のセンスや実力を発揮しきれていないところもあるなと思っています。エース級の選手たちが本来のセンスや実力を一番発揮しているのがTeam UKYOだと思いますし、Team UKYOほどではないにしてもマトリックスパワータグやキナンサイクリングチームなどは強力な外国人選手を中心に実力を存分に発揮していると思っています。宇都宮ブリッツェンも、後半戦にエースを担う選手たちが本来のセンスや実力を十分に発揮できるよう、中断期間からチーム全体のさらなる底上げと、選手それぞれに眠っている本来のセンスや実力を導き出せる環境を私としても作っていきたいと思っています。今日も本当に暑い中、たくさんのファン・サポーターの皆さんに応援に来ていただいて、会場が赤ばかりで本当に気合が入っていたのですが、その気合が空回りしてしまったかな、と。ですが、我々はファン・サポーターの皆さんの声援の力があってこそのチームですし、皆さんに悔しい思いばかりさせてしまっていることが私も選手たちも本当に悔しいと思っています。後半戦に向けてしっかりと切り替えて戦っていきたいと思いますので、引き続き熱いご声援をいただけますよう、よろしくお願いします。今日もありがとうございました!」
Text:Nobumichi.Komori/HATTRICK COMPANY
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